スターバックスが非常に面白いのは、参入障壁が低い、しかも衰退する業種にかかわらず、経営トップの情熱によって、どんどん障壁を高くしてしまって、オリジナル性を高めて競争優位のポジションに就いてしまったことです。
参入障壁が低い業種は、一見、楽に思え、あるものにとっては確かに楽なことですが、低い目標が必ずしも達成が容易でないのと同じで、意欲的な者にとっては、高い目標の方が楽なのと同じで、「参入障壁が低い」は楽ではありません。難易度の高い、低いは相対的な問題だからです。
難易度が低いと準備が十分に行われない傾向があり、準備不足による失敗は珍しくありません。程度にもよりますが、困難な場合には用意周到で取り組むことが少なくありません。これは企業風土にも影響しますが、逆に言うと意欲的な企業風土を創るためには避けて通れない障害であり、裏返せばチャンスなのです。俗に言う「ピンチはチャンス」の最たる事例なのです。
マーケティングの基本である、マーケティングの4Pとは、製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、 プロモーション(Promotion)の4のつマーケティング・ツールを活用し、 標的顧客(市場) に受け入れられる組み合わせを検討し、戦略的に販売強化を図ろうとする考え方です。 価格が一番最後に考慮する課題になっているのは、できるだけ使わないようにするためです。
なぜなら「価格」対策は。他のマーケティング要因との合わせ技であり、他のマーケティング要因と比較して難易度の高いテーマではないからです。優先順位のトップに持ってくると、他の要因への研鑽がおろそかになり、「合わせ技」が希薄になってしまう危険があるからです。
優先順位にトップにあることは達成できますが、そうでないことは適当な扱いになってしまう傾向があります。これは先人たち観察すると原理原則として発見できます。
安売りで失うもの(一般論)
- 利益が出ない
- 理不尽なクレーム
- リピーターが減る
- 安値競争から逃げられなくなる
- お客様と価格で対立
- WHAT志向の会社になり、WHY志向から離れて行く
- 組織作りに時間が割けなくなる
- 広告しても値段しか記憶させられなくなる
- 関係先に迷惑をかけトラブルになる
- 仕事が増える
ここにピックアップされた問題がすべて該当するかどうかは会社によって違いますが、留意する問題は少なくありません。