2010年6月27日日曜日

価格競争の心得

そもそも価格競争とは、規模の経済の競争のことですから、マンパワーが育ってこないと行き詰まります。価格で引きつけていると、サービスの特化をしなくても大丈夫だと考える人も多いようですが、小売業でのマンパワーとはサービス力ですから、サービス力がしっかりしないと終わってしまいます。

そこで、生涯取引、価格競争、マンパワーを考える意味からも、ポイント、即値引き、キャッシュバックについて、なにがどう違うのかについて考えて見たいと思います。


キャッシュバックはポイント還元と比べて、価格的な安値感があります。キャッシュバックは、割引感も重要ですが、むしろ心の満足感がテーマです。
安い値札のまま購入しても、安く買ったということだけですが、キャッシュバックは違います。キャッシュバックを受けるときに、「感謝のことば」あるいは「態度」、もしくは両方が伝わります。お客さまの満足は価格だけでなく、店の人に喜ばれることで自分の存在感を確かにすると同時に気持ちよさを体感します。
つまり、価格の問題ではなく、心の問題なのです。

ところが、規模の経済で優位に立つ量販店は 、どんどん前倒しの安値攻勢で仕掛けてきます。サービスの比較で優位に立とうとする弱者の攻勢を封じこめようとします。しかもマンパワーの点でも優位に立とうとするので、弱者はますます対抗策を失ってしまいます。結局、心のあり方で対抗しようとする弱者が規模の経済に叩き潰されているのです。

お客さまが差を感じる、しかも魅力のある優位性をなにでどのように伝えることができるかというのは所詮「比較」でしかない点で、一筋の光明を見い出すことができます。その明かりを徹底的に輝かせる力に全力を傾注できる風土が求められます。

価格競争が必要であるほど、マンパワーの育成スピードを実行する。

生涯取引を疾走しない店は潰れる

本当にお客さまを集めを実行しているか

信じられないかも知れませんが、売れない最大の原因・課題は、お客さまを集めようとしていないことにあります。すごく単純なことなので、売りたいと考えている自分がお客さまを集めようとしていないとは考えにくいのは当然ですが、では新規顧客を集めるために何をしたか思い浮かべてください。毎日なにか行われ散るはずですが、同時にほとんど行われていないのが実際ではないでしょうか。つまりやってはいるけれど、インパクトのある具体的なことがあるかというとそうでもない。
この曖昧さが、お客さまとの間にズレが生じている原因なのです。

私たちは、特別な人でなくても、もっとうまくやれる能力を持っていますが、目先のやることに気を奪われてついつい目的を忘れてしまいます。
お客さまの心のつかんで、生涯取引を継続するべきところを、本当に求めている結果を忘れてしまうのです。


生涯取引をめざしているか

本当に生涯取引をめざしているでしょうか?
生涯取引という概念が広まったのは、そんなに古い話ではなく、ITの進化と共に一般的になりました。
ITの進化はデータベースを活用した顧客個別マーケティングを可能にしました。顧客個別マーケティングとは、顧客ひとりひとりの購買履歴、プロフィールを根拠に個別のコミュニケーションを繰り返し展開して、関係性を深めていくもので、それによって生涯取引をしていあたdけるようにするというものです。
かっては人間が手作業でやっていたことをコンピュータを使うことで、量、速度に飛躍的な改善を可能にしたことで一般的に広まりました。
これによって、いまでは生涯取引という概念が当たり前になりました。

そこで生涯取引の言葉と形は浸透したのですが、その大きな障害となる価格競争に四苦八苦。生涯取引どころか目の前が見えない状態に陥ることもしばしば。だからこそしっかりとお客さまをつかまえていないと気がついたらお客さまがいないということにもなりかねません。だからこそ販売の原理原則を逸脱したことをしたら命とりになるのです。
では、販売の原理原則について一緒に考えて見たいと思います。

2010年6月20日日曜日

5つのキーワードで売るスキルを磨く。

 道に迷ったとき、大事なのは、努力することではなく、道を知っていることです。

 それと同じく、目標が達成できるのは、努力の多嘉ではなく、達成に必要なことの実行にかかっています。ですから、目標を達成するには、達成に必要なスキルを有していることが条件になります。

 努力が必要になるのは、「スキルを身につける」という具体的な「事」と「時」のことです。精神主義的な努力の奨励では、このことを勘違いしていて、奨励の矛先は「結果」に向けられています。

 スキルを身につけることに努力しないで、目標達成に努力するとうなるか。結果は行動の結果でしかないので、行動が間違っていたら、思うような結果が出るはずはありません。

 それでも、道理を無視して、誤った努力の奨励に暴走して、努力すれば努力するほど、今度はおかしなことになっていきます。お客さま相手だとお客が逃げ出すことも生じてきます。道理を無視すとは、世の中の仕組みを無視していることに他ならないからです。

売れる、売れないの最大の理由は、極めてシンプルです。
買う人に自身の存在価値を強く実感させることができていると売れます。そうでない場合には、売れません。
実感していただく条件として、まず対価そのものである「商品・サービス」があり、さらに付加価値が実感を強くする役割を担います。

付加価値がサービスと言われるもので、次の5つです。
・商品が必要であり、欲しい商品であること
・商品が完全であること
基本の2つに、
・買いやすい
・気持ちがいい
・コストパフォーマンスが高い
が加わります。

この内、誤解される傾向にあるのが、「気持ちがいい」です。いくら気持ちがよくても
必要であり、欲しい商品ではなく、コストパフォーマンスが低いと売れません。

そしてもうひとつ誤解されているのが、「必要であり、欲しい商品」です。

これは以前から、Want、Needで表現れていますが、いまひとつその定義がよくわからないという人がいます。

この2つは明らかに異質で、次のマトリクスで表現できます。
・必要でないし、欲しくもない
・必要だが欲しくない
・必要でないが、欲しい
・必要であり、欲しい

以上マトリックスで、一番売れるのは「必要であり、欲しい」であり、売れないのは、 は「必要でなく、欲しくない」ものです。

それで、売る側の努力は、「欲しくする」に向けることになります。
サービスの条件である5つのキーワードを使って「欲しくする」ためにステップアップしていきます。

そこでまず欲しくさせるスキルが必要になります。

ひとりですべてのスキルを持っているに越したことはありませんが、チームワークで活動している場合には、役割に必要なスキルを身につけていて、必要なことを適切に実行したか、あるいは実行中であることが不可欠です。


一般に商品知識を身につける研修をします。しかし、なんために商品知識を身につけているのか、その意味を履き違えている場合が少なくありません。

5つのキーワードの内から、「買いやすい」「気持ちがいい」を活用して、欲しいと思うようにステップアップしていくことです。つまり商品知識をただ習得するだけでは、「買いやすい」「気持ちがいい」と感じていただくには十分なスキルにならないことを理解しておかないと効果がないばかりか、時には逆の効果を引き寄せてしまいます。

2010年5月14日金曜日

売れる理由とズレ

 売れるようにするには「こんなやり方」を間違えないことが肝心です。最終局面は、お客さまの目の前でなにを言うかで決まります。そこで考えておきたいことが大事なことあります。

売れるには理由があり、売れないには理由があります。売る側、買う側の接点に立って言えば、

1)感情を動かす
2)感情的なつながりを持つ
3)お客さまの前でナニを言うかで決まる

この3つが正しく揃うと売れます。ここでの、感情とは「欲しい」と思うことです。
だ から、人間関係を難しくすることは両者にとって何のメリットもありません。

売れない状態とは3つのことがズレていることに他なりません。ズレることで人間関係に支障が出る場合が多いのです。売る現場において最悪にして、もっとも多いパターンは、お客さまを説得してしまうことです。
説得を営業と思い込んでいて感情を違う方向へ動かしてしまうことです。相手のためを思って熱心に説得する場合も同様のことがおこります。

どうしてそんなことになるかと言う と、売る側の感情と、買う側の感情が違うまま、商売をするからです。

■ズレるには理由がある。

お客さま第一、お客さまのために店はある・・・・お客さまを最優先することを訴えた言葉・・・つまりお客さまに喜んでもらうことを目的とした企業活動のことです。・・・それを詭弁だと考える人は少なくありません。

なぜなら企業は儲けることを目標にして活動をしていると考えているからです。だから、きれいごとだと思います。嘘だと感じる。そんなことで会社は存続できないと考えます。利益も出さすに存続できないというのはその通りです。だから徹底した利益追求が必要です。ところがここに売る側とお客さまの間にズレが生じる原因があります。皮肉にも熱心になるほどズレてしまうこともあります。

 商売の目的は儲けることにあります。だからどれだけ売るかが目標になります。あるいはどれだけ利益をあげるかが目標になります。
売る側の論理に立てばそういうことです。ところがいくら売れ、売りたいといっても相手がある。相手には相手の論理があります。相手の論理の中心にあるのはなにか、メリットを得ることです。必要か、欲しいか、です。人間が もっとも必要とするものは食べ物です。食べると満腹になります。安心できます。「メリットがある」ことが買い物の常識として定着しています。

かくして両者の思惑は噛み合わなくなり「敵対」することになります。
片方はどのようにして儲けるかと考え、片方はだまされないようにしょうと考えます。
この状態が露骨になるほど商売はうまくいかない。

詐欺師は、この状態を認識しているので、いかに味方と思わせるかを研究して 成果をあげます。ところが正直に、真面目に商売していると、そこに知恵が回らなくなります。努力している分、やましい気持ちがない分、自分たちの論理を振り回してしまうので困ったことに中途半端に敵対してしまうのです。つまりズレが生じます。


■「なぜ、キャンペーン 中」がダメなのか

このズレを修正するために、因果関係を読み取り、全体を再構築した状態が、お客さまを最優先する心を目的にした運営で す。つまり企業活動の「羅針盤」になる考えです。
この羅針盤のもとで、はっきりしていることは「人間関係を難しくするな」と言うことで す。地域に根を張って商売する上で、人間関係を難しくする必要があるのか。

人間関係を難しくしておいて、売ろうというのは自分の首をしめながら、がんばれというようなものなのです。人間関係を難しくして一体何のメリットがあるのか、自らに問いかけてみてみましょう。

ところが実際には、羅針盤が違っていると、お客さまを目の前にして、タイミングのズレから、人間関係を難しくすることを言ってしまうのです。その代表例のひとつが「い まならキャンペーン中でお得です。」

この言葉をよく使います。使用禁止にしている会社もありますが、頻繁に使う会社もあります。禁止にする必要はありません、頻繁に使ってもいい。しかしタイミングを考えずに、考えもなしに頻繁に使うのは、愚の骨頂です。商品説明も同じです。

いったいどこでこういう言葉ややり方を学んだのでしょう。成功事例があったかもしれない。考えた結果かもしれない、だれかの真似かも知れない。
しかし、物事には順序があります。営業活動とはコミュニケーション・スキルの集大成のようなものです。道理を無視して成り立たないのです。


■2 通りのタイプがある

大きく分けて、ビジネスには2通りのタイプがあります。「売り手の論理」に立って、売り手にお客さまを合わさせようとするタイプと、お客さまに合わせる「お客さま大事」のタイプです。

ある勉強会のことです。東京で成功した事例があり、それに使用したチラ シの意見交換が行われました。すると関西の業者たちから反論が起こった。「これは嘘だ、こんなことができるわけがない」と計算してその根拠を説明してみせました。

売り手の論理で説明したのです。その主張は、なるほどそうだと思えることばかりです。だが問題はお客さまの論理とズレていることです。つまりどちらも、関東も関西も 間違っていないのです。しかし、売るとは理屈ではなく、欲しいと思う人を作ることです。チラシの内容に「立場の違いで判断が変わること」がある事実を観て いないのです。言い換えると「職人気質」の限界が露呈した形になりました。

自分たちの都合を優先するために、「売れるには理由がある」と いう現実を見ていないのです。売れるとは欲しいと思う人が多いということです。売るとは結果であり、営業活動とは必要と欲求のバランスを整えるプロセスであり、必要でもないし、欲しくもないものを、必要だし、欲しいにステップアップしていく作業です。

・必要でもないし、欲しくもない
・必要だが、欲しくない
・必要ではないが、欲しい
・必要だし、欲しい

だからお客さま最優先を羅針盤にしないと、自らが安易な選択をして間違ったことをしてしまう。繰り返し購入していただく機会を失う。誰だって必要でもないし、欲しくもないものを押し付けられたら感謝しません。

メーカーなら自分で必要とされるもの、欲しいものを作れるし、小売業なら仕入れの選択ができる。しかしその本質は、商品やサービスにあるのではなく、自分たちが意味を与えられるかです。

日本の技術力は高いという、しかし世界を席巻できる商品が生まれないのはなぜか。
WALK MANは、なぜIPodに発展できなかったのか、両者は似ているが全く違う発想のものです。なぜ高い技術力が生かせないのか、残念なことに意味の与え方で遅れをとっているのです。ズレが遅れになっているのです。


■欲しいとはどういうことか

商品の絶対的な価値よりも、お客さまの考える価値が上回っていると欲しいと思います。下回っていると欲しくなりません。価値は、モノやサービスにはありません。価値は、モノやサービスから得られる「こと」にあります。ほとんど感情と密接につながっています。どう使えるのか、どんな幸福があるのか、それが問題なのです。

身だしなみがなぜ大事なのか、それはお 客さまが感じる価値の問題だからです。だから身だしなみ、接客、サービス、ホスピタリティ、信頼は価値の一部として効果を発揮する。感情を動かすベースで す。しかしすべてではありません。

だから一方で「安ければ無人セルフでもいい。」というのも感じ方もあります。競争相手も出てきます。価値の感じ方はそれらに左右されることは明白です。儲けるを軸にして、どのように必要と欲求のバランスをとるのか、いつも問われている課題です。

値札と 一致しないお客さまが感じる価値があります。下回ると売れない。理屈ではない価値があります。100円で売られていた古書が20000円で売れます。価値は買う人が決めます。価値、価値って難しそうに聞こえるかも知れませんが、価値の正体とは「得した!」「いいわ!」「気持ちいい!」「楽になる!」「うれしい!」「楽しい!」「ベンリーッ!」ほとんど感情なのです。

言っていること、していることが、「必要と欲求」のバランスとう まく噛み合ないと売れなくなります。逆にピシャッとあわせると売れます。


■価格はズレを調整するが、調整方法は価格だけではない


ピ シャッとあわせるために、必要と欲求のバランスを考えてみましょう。競争相手のことを横に置いて考えると、価格との関係が分かります。

・【必要だし、欲しい】状態にあると、高くても売れます。

・【必要ではないが、欲しい】状態では高くできます。

・【必要だが欲しくない】の状態にある商品は、安くすると売れますので、価格競争の対象になりやすいものです。
全部がそうではありませんが、スーパーマーケットで扱っている商品はこの範囲のものが多いのです。安くすると売れるものは商品の性格によりますが、価値を上回る付加価値をつけると高くても売れます。

・【必要でもないし、欲しくもない】状態の商品は、それ単体で売ることは難しくなります。工夫が必要です。一番いいのは使う意味を工夫することです。付加価値です。逆におまけという付加価値のつけかたもあります。

売れるか、売れないかは、 「欲しい」で決まります。「欲しい」にできる力が営業力であり、つまり高くても売れる力です。「欲しい」「この人から買いたい」に持って行くのが 「営業活動」です。

 ところが人間関係が難しいと「欲しい」「この人から買いたい」に持って行くことが難しくなります。売る側の論理、買う 側の論理にズレがあるから持って行けなくなるのです。しかもズレると敵対的なります。敵対的になるほど売る側の論理が強くなりますます。人間関係は難しくなります。難しくなるといっても個人が個人と敵対しているのと違います。表面は同じように接客し行動します。でも信頼関係がおかしくなり売れないのです。

売る側の論理とは、商品/原価/利益/目標/期限/経費/仕入/絶対的価値/競争相手/立地などなどです。売る側の論理を問題にすることは間違ったことでも、悪いことではありません。でもお客さまの論理と乖離していることが多いのです。

お客さまの論理が、欲しいか、欲しくないか、感情だけなのに対して、イチイチ理屈っぽくなります。しかしお客さまの論理は、注意→関心→欲求の三段階だけです。

それなのに、お客さまの感情に関係なく売る側の 論理で仕掛けて行くとお客さまは見向きもしません。関心もないのに、「キャンペーン中ですから、お得です。」と言われると防御態勢に入ります。商品知識を説明 されると逃げ出したくなります。

お客さまの論理を念頭に置いて注意→関心→欲求の三段階をステップアップしていき、関心を持ったときに、 商品知識を説明されると聞きます。決断するときに「キャンペーン中ですからお得です」と言われると、ありがたいと思います。同じことでもタイミングが違う と害虫になるし、天使にもなります。


■説得しないアプローチ

「感情を動かす」とは注意→関心→欲求の三段階をス テップアップすることです。

感情はメカニカルなものなので、スイッチの押し方次第なのです。しかし売り手の論理で行動していると、間違ったスイッ チを押して人間関係を難しくしてしまうのです。しかも説得しようとします。ますます関係は悪くなります。

 説得しなくていい方法が売れる 方法なのです。話すのではなく聴くのです。それが基本です。聴くこともなく、自分の論理、つまり今日中にこれだけ売りたいという立場で話したい事を話して いるだけでは売れないのです。

この「今日中にこれだけ売りたい」があって会社は儲かるのだが信念化していると、「お客さま大事」の理念は きれいごとだと勘違いしてしまうのです。つまりきれいごとだとしている限り、メカニカルである感情を動かすスイッチを押し間違うので修正できないのです。

ま すます説得が過激になるか、自信を失うかです。燃え尽き症候群になることもあります。
「今日中にこれだけ売りたい」意欲は行動の源泉です。不可欠ですが、使い方を間違えては台無しになります。

「注意→関心→欲求」の三段階を順番にステップアップしていき、欲求が起こった 段階で、アプローチなのです。欲求が起こった状態・・・これが見込客なのです。

見込客に対して、しっかり感情を受け止める、つまりしっかり聴くことで感情的なつながりが持てるようになります。そこでお客さまを前にしてナニを言うか、売れるか売れないかは、それで決まります。

(1) 感情を動かす(注意→関心→欲求)
(2)感情的なつながりを持つ
(3)お客様の前で、なにを言うかで決まる

つまり、裏返 すと、3つがズレると売れない理由になります。
3つがズレないように逆算します。

(1)欲求を引き出すにはどうしたらいいか、
(2) 関心を持ってもらうにはどうしたらいいか、
(3)注意をひくにはどうしたらいいのか。
(4)欲求を引き出すことに到達したら、ナニを言うか。

説得が必要になってしまうのは、欲しくなっていないのになんとかしょうとするからです。食欲のない人にムリに食べろというのと同じようなものです。繰り返しご利用頂く為に人間関係を難しくしないことはいまも将来も大切です。
説得しないアプローチを鉄則にするのです。

■ 売れる会話のネタの作り方

アプローチに発展する会話のネタの作り方があります。ここでは人間関係をよくすることを念頭に説明します。大規模マーケティングも小売りも同じです。「質問→集計→提案」です。聴くことです。聴いたことを集めて整理すると情報が作れます。情報は提案に使 えます。

たとえばこんな感じもそのひとつです。
「クルマの汚れで困っている方が多くて、こういう(具体的に)ご質問をよくいただきます。お困りでないですか」
「○○○だな」・・・内容で見込客かどうかが分かります。
「そうでしょう。だからこういうことをさせていただいている んですよ」

この段階で「注意を引く」段階に到達しますので、関心を引く段階に進みます。

見込客でない場合には、
「クルマの汚れで困っている方が多くて、こういう(具体的に)ご質問をよくいただきます。お困りでないですか」「○○○だな」・・・見込客かどうかが分かります。
「お困りのことがあればなんでも、いつでもご相談ください。」

どれだけ言葉を使うか、会話をするかは商品の性格によって違いますので、商品と売り方によって、もっと短くできます。いずれにしても決めるのは経験がある、あるいは仮説が使える人です。

冒頭、「人間関係をよくすることを念頭に・・」と言った様に、「お困りのこと があればなんでも、いつでもご相談ください。」と質問をして集計するネタを集めることが、関係作りになっているのです。

情報がない場合 は、仮説を組み立てて、感情を動かすストーリーを作ります。しかし、関係性をよくしておくこと、見込客を作っておくことが、やりやすくなる条件、売れる条件です。人間関係が難しい状態で売るというのは誰がやっても至難の技なのです。売れる理由は、少し掘り下げて考える習慣を身につけると簡単です。

2010年4月25日日曜日

因果関係を計算するのが計画


 目標を達成するコツは、因果関係も含めて結果から逆算することです。逆算なしに熱意だけで目標達成に向かっていこうというのは論外です。

なぜ論外かというと再現性がない。成功しても同じことが繰り返しできない。繰り返せない理由は、精神的な疲労感が強いので翌月には気力が落ちてしまうこと。
やる気は気分ですから成功してもその理由が説明できないので、同じことが繰り返せません。言葉で説明できないとは「わからない」ということです。結局、人が育ちません。

言葉は考えそのものです。人を育てるには、言葉による説明なしにはできません。また人を育てるとはある意味では自分の分身、コピーを作るところから始まります。やがて意識がしっかりしてくると主体性を持つようになり、自分づくりが始まり独自性も芽生えてきますが、最初の一歩であるコピーが本当の意味で作れません。やる気だけは真似することはできて、その範囲で成長しますが、説明できないようではマネジメントができません。

なぜなら、実務とはやる気だけでは続かない合理的なものだからです。当事者本人が無意識であっても人間の行動にはすべて理由があります。その理由に向けて対策と販売促進があります。やる気だけでは対処できないのです。

因果関係を計算するとは、自分自身、お客さま、部下を三位一体としてバランスをとっていくことです。自分自身が鉄の心を持っているわけでなく集中できるときもあれば、そうでないときもある存在だからです。すべての始まりはそこにあります。

指揮官である自分の弱さを計算していない計画は、机上の空論でしかなく計画になることはありません。
どうすれば自分の意欲が継続できるのか、部下の意欲は継続できるのか、お客さまの購買意欲は引き出せるのか、3者のどこかに「考えていない状態」があれば、その分だけ売上は落ちます。人間は考えていないことは行動できないからです。売る側が売ることを考えていても、買う側が買うことを考えていないと売れません。買う側が買うことを考えないと、やがて売る側も考えなくなります。私たちはいつも協働と共働しているのであって、協働と共働なしに成功はありません。協働とは同じ目的のために、協力して働くこと。共働とは生じた現象が互いに影響を及ぼし合うことです。

考えている状態を作る・・・・マネジャーがクリアする重要な課題です。
まずマネジャー自身がその関係性の一部であり、就労中は意識が切れないようになっていないとお客さま、部下の意識は低下します。低下した分だけ全体の力が低下してしまい、自分の意欲に悪影響を与えます。自分を苦境に立たせないように因果関係に注目してバランスをよくするようにします。

■結果から逆算する

結果から逆算するには、結果が分かっていないとできません。ですから経験がものを言います。成功例、失敗例があると、うまくいく方法を見つけ出しやすくなります。

ところが現実には経験者なのに逆算できない人がいる一方、未経験者なのに逆算できる人がいます。原因は「逆算の必要性」を知っていて、実行していることです。未経験なら聴けばいいし、仮説を使えば、経験不足を補うこともできます。さらに逆算を有効にするのが因果関係を計算することです。

因果関係を計算するとは、共働を考えるようにします。生じた現象が互いに影響を及ぼし合うので、よい影響を引き出すように、関係を考慮して順番に計画していきます。逆算とは山道にエスカレーターを設置するようなものです。問題が出ないように事前に撲滅しておくからです。またプロセスで問題が生じても対策を準備してあるので問題を乗り越えることができるからです。逆算していない計画とは絵に描いたモチでしかありません。

逆算するには、結果を知っている必要があります。誰にとっても逆算は、手持ちの情報がすべてです。「知っていること、できることだけ」では限界があります。不足を補うのが、情報の追加と仮説です。
以前、やったことがあるが、こういう問題が起こって、こういう対策をして乗り越えたというような成功例、失敗例、つまり手持ちの情報が豊富であるほどうまくいく方法の発見が容易になります。その点で「経験」が効果を発揮します。経験が不足する場合には、聞くことと仮説が力を発揮します。

仮説は想像ではありません。思いつきでもありません。仮説とは自分が持っている情報を使って逆算する力です。あらゆる結果を予測して、どんな原因があれば
そういう結果になるかを導き出す<因果関係>を計算する力です。共働の影響と優先順位を発見するようにします。どうすれば原因を撲滅できるか、準備する力が良い影響を引き出します。

重点商品を売る因果関係について、一時的な表面的な関係だけでも次のものがあります。

・売れる売り方(お客さまが欲しいと思うレベル)
・売れるスケジュール
・売れる人材=意欲と技術
・売れるお客さま(考えてくれているお客さまを作る)
・売れる準備
・売れる自分のマネジメント

これを掘り下げていきますが、無数の問題が浮かびあがります。「真実は細部に宿る」と言います。その言葉通り、細部に到達することで具体的な対策と指示ができるようになります。指示のほとんどは結果が出る前のものばかりです。結果が出てからでは遅いからです。因果関係を計算していない計画は計画ではないのです。

関連記事 逆算する意味と効果

2010年4月17日土曜日

欲しいというメリットの強さがないと売れない




いくら感情的になって「売りたい」と思ったところで、私たちは共同体で暮らしている。つまり相手の考え、行動があるので、相手が考えないようでは空転するばかりです。空転を熱心にやればやるほど、相手は不快に感じて目の前から去って行く。

「共同体で暮らしている」を強く意識していることが出発点なのです。外に対しても内に対しても同じです。お客さまを大事にすることが先だという理由の本質はそこにあります。裏を返せば内輪を大事にするとこにつながっています、顧客満足、従業員満足はコインの裏表なのです。

・必要だけど、欲しくない
・必要でないが、欲しい
・必要でもないし、欲しくもない
・必要だし、欲しい

この2×2のマトリクスを本質に置き換えてみると、次のようになります。

・必要だけど、欲しくない=買うデメリット
・必要でないが、欲しい=買わないデメリット
・必要でもないし、欲しくもない=買わないメリット、
・必要だし、欲しい=買うメリット

必要でもないし、欲しくもない、あるいは必要だけど、欲しくない商品やサービスからは買うメリットを見つけることができないので買わないメリットが強く働いています。

買わないメリットが強く働いているお客さまに、強くアプローチしても拒絶されてしまうのは努力不足ではなく、してはいけない努力なのです。

するべき努力は「欲しくなる」ようにする努力です。
その努力をするためには、やる気が必要ですが、やる気もマトリクスで判断できます、



・必要だけど、欲しくない=買うデメリット=やらん気(できるけどしたくない)
・必要でないが、欲しい=買わないデメリット=やる気(できないけれどしたい)
・必要でもないし、欲しくもない=買わないメリット=やれん気(できないし、したくない)
・必要だし、欲しい=買うメリット=やれる気(やれるし、したい)

共同体で暮らしていると冒頭に述べましたが、それは「恊働」「共働」も内包、含んでいます。
「恊働」とは、同じ目的のために、協力して働くこと。
「共働」とは、現象が互いに影響を及ぼし合うこと。

「恊働」「共働」と言うと、チームワークを連想しますが、ほとんどお客さまが含まれていないのではないでしょうか?むしろお客さまは対立関係にある敵として意識していないでしょうか、意識では対立しているにもかかわらず、給料はお客さまからいただいていると教えるアンビバレンツな指導が、どのように教育してもサービスをホスピタリティに押し上げない原因になっている会社が無数にあります。

モチベーションとお客さまのメリットは、現象が互いに影響を及ぼし合う「共働」関係にあります。であるなら同じ目的のために、協力して働く「恊働」なしに、必要だけど、欲しくない商品やサービスを必要だし、欲しい、あるいは必要でないが、欲しいに押し上げることはできないのです。

物事の道理としては分かっても、どうしていいのか分からない。分からないから考えない。分かる範囲でやるしかないというのは心情としては理解できても、結局は万人がチャレンジして辛酸をなめながら導き出した原理原則を度外視するとは、一から辛酸をなめながらやるということに他ならないのです。非効率であり、努力を成果で評価せず、苦労の度合いで評価する危険に立ち会うことにさえなります。

私たちが暮らす世界には2つの大きな側面があります。
・原理原則
・自由な創意工夫

原理原則は、先人の数えきれない努力から導き出された答えです。すでに答えがあるから余計なことに労力に使わず煩わされずに前に進めます。しかしそれだけでは競争には勝てません。お客さまに忘れられない、飽きられない、卒業されない存在になるためには差をつけ違いを出すには創意工夫が必要になります。しかし現実は原理原則を度外視した努力が混乱を\招いていることの方が多いようです。

「必要でもないし、欲しくもない」ものを、商品説明で「欲しい」に変えるのは困難です。「困難」の意味は、従業員にとっては、やる気を失う原因になります。お客さまにとっては、煩わしいことになります。ではどうすれば変えることができるのでしょうか?メリットの提案ですが、売る側の危険もそこにあります。提案するメリットがお客さまにとってメリットになっていないのです。自分たちが「メリット」と断定したことがお客さまのメリットにほど遠いのです。

「原理原則×自由な創意工夫」がうまく機能していないのです。機能しない原因はその時々の状況で違いますので、これがと言えません。
はっきり言えることは「必要でもないし、欲しくもない」を欲しいに変えるのは、商品やサービスによって違います。つまり商品に意味を与えるのは自分だということです。それが「原理原則×自由な創意工夫」を機能させるということです。

たとえば、フツー、車のタイヤの場合「必要だが、欲しくない」商品の\場合。それをフツーでないようにしないと「欲しい」には変わりません。打つ手のキーワードは2つあります。「必要」と「欲求」です。このルールを無視して商売はできません。
必要にこだわれば「安全性」です。こだわりの度合いが強い、つまりモチベーションが高いと「安全性」の徹底にこだわることができます。モチベーションが低いと徹底できません。
欲求にこだわれば「^欲しい^の強さを引き出す」です。どこまで引き出せるかは、こだわりの度合いが強い、つまりモチベーションが高いと「^欲しい^の強さを引き出す」の徹底にこだわることができます。モチベーションが低いと徹底できません。因果関係を計算して、恊働、共働をどう仕掛けるかが、マネジメント力です。

具体的に言うと、「必要」と「欲しい」の切り口で、次の2つの手が打てます。
・安全にこだわり抜いた点検をして、不完全なタイヤを交換する
・欲しいにこだわり、現在のタイヤよりファッション性の高いタイヤに交換する

どちらの場合も、成功がやりたい気持ちを高めるので、モチベーションが加速度的にアップします。業界を問わずに忙しいときが好きという従業員が大半です。売れることでモチベーションが高くなり、想像以上の販売実績をたたき出しています。

しかし難易度の高さに目を奪われて実行するところは少ないのが現実です。過去の実績と難易度の高さで計算したらやりたいと思わないのは当然です。しかし計算ミスなのです。

・欲しいと思わないと買わないという原理原則を無視していること
・原理原則を無視しているので創意工夫が機能することがない

ですから実際には逆転します。するから大量に売れます。やっているのは従業員ですから難易度が高ければ売れません。難易度を低くして意欲に変えて、お客さまが満足しているのは「欲しい」気持ちを満たしたからです。メリットが実感できるとモチベーションはあがります。誰も自分が大事にされたいのです。恊働、共働が機能するのが正しい仕組みなのです。

難易度の高低は、販売高やする内容で計るのではなく、道理に合っているか、いないかで計るのが正しいのです。販売高を抑えても道理に合っていないことをすると難易度は高くなります。

商売と戦争はまるで違うことですが、それが不思議なくらいにここでお話している成功と失敗北のモデルが、映画「二百三高地」と「八甲田山」で描かれています。共通しているのは、人間がしていることという点です。


▼ライフスキル講座 ここから


マートワン
【アサーティブネス】自分をじぶんの味方にするために
【アサーティブを学ぶ】ライフスキルで自分を動かす
日本全国男前プロジェクト
ゲンキポリタンのじぶんぢから再生プロジェクト

2010年4月8日木曜日

見込客を作るとは考える人を作ること。



忘れない、忘れさせないは、お客さまに対しても、社内に対しても、ビジネスの基本。人間は考えないことはできない生き物だからです。

4月3日にアメリカで販売開始されたアップル社の新製品「iPad」を買い求める光景には熱いものがありました。前夜から並んでいる人たち、手に入れた喜びを全身で表現している人、日本からもニューヨークへ弾丸で買いに行った人も多数いたようです。


アップルが販売決定を発表したのは2ヶ月前、数週間後にはネット上で予約受付を開始しましたので、前夜から並ぶ必要はないはずですが、「早く欲しい!」気持ちを愉しんでいたようです。

「iPad」はタブレット型のパソコン、見た目は、同社のヒット商品「iPhone」をA4サイズに大きくした商品ですが、”アップル”のブランド力が発表と同時に決定的に「タブレット型パソコン」とも「iPhone」とも違うことを伝えていました。さまざまな憶測が世界中に広がりました。もともとアップル社はあまり情報を流さない会社ですので、想像力をかきたてます。顧客はわずかな情報を熱心に探しまわります。

販売前日、店舗では準備開始とともに、店内は黒いカーテンで覆われ待ちわびる顧客の興奮は高まる一方、その光景はTwitter、ブログ、YouTubeを通じてリアルタイムで世界に配信されました。顧客自身が発信する情報には「口コミ」のプロセスのすべてが発見できます。商品の憶測から、手に入れた商品のパッケージの開封〜同梱品の紹介、さらには買った商品を即座に解体してパーツのひとつひとつの紹介、まるで広報担当は顧客の役割のようです。情報を受信する「見込客」の想像もどんどんふくらみ、興奮は高まります。

さて、iPadの興奮には「売る」ということ、「買う」ということの究極の答えがあります。
なぜ、開店前から並ぶのか、「早く欲しい!」からです。

「欲しい」は「買いたい」の前提条件です。欲しい物が売られていないとプレミア価格になります。だからキン肉マンの消しゴムは一個が数万円しています。
キン肉マンの消しゴムは決して必要な物ではありませんが、「欲しい」と共に「必要」も「買いたい」の前提条件です。

 ところで、必要は英語でNEEDといいます。欲しいはWANTです。日本語でも英語でも別の言葉です。つまり意味が違うということです。どれだけ売れるかは、必要とする人の数、欲しい人の数で変わって来ます。そこでメーカーは、必要とするもの、欲しがるものを作ろうとします。小売業はすでにあるものを仕入れて売りますが、どう扱うか小売のセンスとスキルがモノを言います。

必要なのだ、欲しいのだ、と言っている人をよく観察してみると、いろいろあることが分かります。

・必要だけど、欲しくない
・欲しいけれど必要でない
・必要でもないし、欲しくもない
・必要だし、欲しい

必要にして、欲しいものを買った人は手に入れたこと満足します。
一方、必要でも欲しくもないものを買った人は仕方なしに買ったので、損した気分になることがあります。ムダ遣いをする人とは、必要でもないし欲しくもないものを買う人、欲しいけれど必要でないものを買う人のことです。

こんな会話をよく耳にします。
「この前、こんなことがあって仕方なしに買ったんだ、損してしまったよ」
「そうは言っても仕方ないよ。必要なんだから」
「そうだよな」

 必要だけど、欲しくない商品の代表が「保険」「葬式」「ガソリン」「電気」「修理全般」「車検などルールで決められたもの」です。
必要だけど、欲しくない商品を取り扱っている方は「エーッ!それでは売れなくても仕方がないだろう」と思うのは当然です。でも慌てないでください。よく考えて見ましょう。

固定電話は昭和初期には欲しい商品だったはずです。高値の花でした。洗濯機、冷蔵庫、クーラーも欲しい商品でした。手に入れるために一生懸命に働いたのは東京オリンピックの頃です。ところがいまでは「必要な商品」に変わりました。電話は固定を携帯に変えることで、必要な商品から欲しい商品に大ブレイクしました。iPod、iPhone,iPadも、欲しいから必要に一旦変わったものを、もう一度欲しいものに変えたことで大ブレイクさせたものばかりです。

つまり、同じものを売っている小売業で、業績が違うのは、欲しくさせる力が違うわけです。そこで、どうしたらいいのかを考えるために、現実を整理してみましょう。必要と欲求の関係は次の4つがあります。

・必要だけど、欲しくない
・欲しいけれど必要でない
・必要でもないし、欲しくもない
・必要だし、欲しい

「必要」と「欲しい」の関係を2×2のマトリクスを使って整理すると、次のようになります。



同じものを売っている小売業で、業績が違うのは、左下のお客さまを右上にステップアップさせる力が違うのです。

では、どうしたらできるのでしょうか?
「安くする?」・・・・それも条件として有効になるかも知れませんが、そうでないかも知れません。価格を考えるよりも先に、もっと考えないといけない「重要なこと」があります。

次のうち、人が考えることの多い順番はどうでしょう?並べ替えて見てください。

・必要だけど、欲しくない
・欲しいけれど必要でない
・必要でもないし、欲しくもない
・必要だし、欲しい

人は考えないことはできません。欲しいということは考えるということです。欲しくないとは考えていないということです。つまり見込客を作るとは、考える人を作るということです。

欲しくないとは考えない。つまり考えるから欲しくなるのです。欲しくない人は考えないので情報が不足しています。欲しくなってもらうには情報量が必要なのです。量が不足するなら力のある情報が必要なのです。

 

iPadは情報量が多くはありませんが、情報力があるので、不足する情報量を顧客が自主的に集めて回っています。iPadを入手するために並んだ人たちは、販売するという最初の情報に接した日から毎日、毎日、考え続けていたのです。

ここから学ぶことには、とても大きなことがあります。


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2010年3月29日月曜日

「なにをすべきか」と「どうやるか」は次元の違う話



 ごはんを大盛りにする食堂、おいしいお米を使う食堂はお客さまが多いようです。誰でも腑に落ちる話、当たり前すぎて「そうだね」で終わってしまいそうですが、実は少ない。売値とコストのせめぎ合いで分かっていてもしない店が多いのが事実。そこにチャンスがあります。

「顧客の目線に合わせる」とは、やって当然レベルですから「並」です。これでは忘れられないサービスには届きません。リピーター、固定客を作るには、忘れられないサービスでないと届きません。

しかし現実は、やって当然の並のレベルである「顧客の目線に合わせる」ことすら出来ていない状態です。ごはんを大盛りにするには、コストの問題があるので簡単だけど難しい側面があります。しかしコストに関係しないサービスなら忘れられないサービスに引き上げることは出来るのです。

ところがそれも少ないのが現実です。こちらの課題はめざすレベルの確定と実行するモチベーションです。めざすレベルを確定する場合に同業他社を参考にしているので、自ら限界を作っています。

たとえば牛丼屋チェーン同士の接客を見たらほぼ似たりよったりです。どうしてそうなるのか不思議です。「価格破壊」はあるが「サービス破壊」を耳にしません。どちらが簡単かというとコストアップ無しにできる「サービス破壊」の方です。

牛丼屋チェーンを回ってみたら、いくらでも改善の余地があることが分かります。しかし価格・サービスとも横並びなので、お客さまもこんなもんだろうと思っているので改善の余地に目をつむっています。顧客の目線以下で商売ができるのは、価格競争ばかりで「サービス破壊」をするものが出て来ないからです。

背景にあるのは、売上至上主義の挫折から利益至上主義への転換、その柱がコストカッターと化したコストコントロール主義です。そのつじつま合わせの結果、ひとつ間違えば営業の存続すら難しいギリギリのマニュアルの世界です。空洞化している部分がありながら手をつけようとしてできないのか、最初から無視しているのか定かではありませんが、チャンスは大きな口を開けて待っています。

チャンスをものにするのは「指示命令型」か「自律型」かの選択次第です。

「指示命令型」はマネジャーから末端まで指示して進めるマネジメント方式。
最初は効果抜群の典型的なベンチャータイプですが、規模の拡大とともにマネジメントに限界が生じてきますが、価格競争で乗り越えようとしています。

「自律型」は、「なにをすべきか」については末端まで徹底的に浸透させ「どうやるか」についてモデルを示すものの可能な限り個人に任せるやり方。セルフマネジメントの世界です。それを可能にしているのは、「なにをすべきか」と「「どうやるか」の徹底にあります。個人は指針とモデルを参考に、自分ができる最高のものを実行しようとします。なぜ実行しようとするのか、答えは簡単で、仲間がしているからです。新人に対しては先輩がサポートします。その光景はサークルやボランティアのようにも見えるのが特徴的です。

そのレベルに舵を切るかどうかはともかく、「どうやるか」は大切であることに間違いありませんが、「なにをすべきか」を浸透させない限り、いくらでもある改善の余地が放置されたままで、チャンスは置き去りです。

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もっと忘れさせないサービス



前回の「忘れさせないサービス」ができたら、「もっと忘れないサービス」にステップアップします。

  最近、ちょっとした「幕末ブーム」ですが、この時代と戦国時代ではヒーロー像に違いがあります。戦国時代はトップに注目が集まりますが、「幕末」は下級武士の群れに注目が集まります。魅力ある上司や師もたくさん登場しますが、牽引力になっているメンターは、「外国」ですね。

メンター(Mentor)とは、良き助言者、指導者、という意味。先輩社員や上司を指導者として、業務上の問題点のみならず、職業人としてのマナーなどについても学びます。でも本当に優れた上司は自分をメンターにさせません。より広い世界に目を向けさせ、外部にメンターを求めます。幕末はこの点がはっきりと出た時代といえます。

「忘れないサービス」を実現するには、メンターの力がエネルギーになります。前回お話した「忘れないサービス」は業界の範囲で優ることでした。それができたら、一刻も早く「もっと忘れないサービス」にアップグレードしますが、そのときに外部にメンターを作ることが欠かせません。

つまり「もっと忘れないサービス」は業界の範囲で優るのではなく、全小売サービス業の範囲に拡大するのです。なぜなら、お客さまは対象となる業界内の比較をするのではなく、自分が利用する範囲で満足度の比較をしています。

クレームになるとき、言葉にはしませんが、たとえば「なんだ、この店は!スタバを見習えよ、えらい違いだな」こんなふうに心のなかで評価します。だから異業種であってもそのメンターがスタバになっても、王将になってもいいのです。全部集めてその頂点に立つことをめざしてもいいのです。

頂点に立つほど、高く売れるからです。ムリに高く売らなくてもいいのです。高くても売れるとはそれだけ価値があるということなので、どんどんお客さまが来るということです。

分かっていることですが価格について整理しておきましょう。売価とコストの差が利益です。そうはいっても(原則ですが)お客さまがその売価で買ってもいいと判断しないと買いません。お客さまは支払ってもいいと思う価格以下でないと買いません。つまり店側にしたら、コスト以上にどんどん価値を高めていくと利益が大きくなるわけです。

お客さまが買いたい価格より下回って販売したら随分得をしたと思います。加えてサービスが想像を越えたレベルで良いとインパクトが大きくなり、忘れられなくなります。
もともと、コストと支払ってもいい価格の差に、特別な理由があるわけではないのです。
つまり支払っていい価格に意味付けをしているのは、お客さまなのです。意味をつけやすいようにするのが「サービス」です。

サービスがきちんといい評価できるほど、“支払っていい価格”は高くなります。高くなっても、据え置きにしたら、お客さまの利益が大きくなるので満足度が高くなります。もともと価格は満足度とコストで決まっているのに、満足度があがればあがるほどお客さまの利益は大きくなります。利益が大きいとまた利用したいと思います。

私たちのやり方で、「安い!」と思わせることは可能なのです。しかも、ただ安いだけではない、満足度がどんどんあがるのです。


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忘れさせないサービス



たとえすべての面で他店を圧倒していても、すべてがいいことを強調しては効果がありません。絞り込んだ「特長」を前面に押し出して最高の強みを浸透させていく・・・そうして見込客、さらに新規客を作っていきます。

新規客には、3日以内にサンキューメールを送ると効果的です。それには、メールアドレスの獲得と、3日以内に送れる態勢が必要です。
本当は全員に人にも送りたいのですが、アドレスの獲得が難しいので、少なくともアドレスを登録してくれた人には送りたい。

なぜなら、忘れさせないためです。
あなたは、3日以上前のことをどれだけ思い出せますか?
人は忘れるものです。スタッフもお客さまも同じです。だから「忘れないサービス」が絶対条件です。「忘れないサービス」の実行は理想の話ではなく、現実的な行動なのです。

20:80の原則はここでも生きています。「授業を受けても80時間以内に復習しないと80%は忘れるといいます。」つまり80時間(約3日)を過ぎると80%の人は、優れたサービスを受けても忘れるということです。

実際、どんどん成長する人は、聞いたその日のうちに実行しています。これは、学校でも、ビジネスでも同じで、どんな業種にも共通しています。
つまり3日以内にやらないと、どれほど感銘したことでも実行に移すことはないのです。

さらに3週間、3ヶ月が節目になります。3ヶ月は最終リミットだと考えるべきです。新入パートナーの教育も、店の改善も同じ。転勤して3ヶ月以内に必要な改善ができないと後は困難になります。なぜなら意識が固まってしまうからです。
「鉄は熱い内に打て」と言いますが、熱いのが20%というわけです。

忘れさせないサービスがないと、リピーターになりません。忘れさせないサービスとは、どんなサービスでしょうか?他に類を見ないサービスです。言うのは簡単ですが、みんな競争しているので、実際には難しい。

ところが難しいと思うところに落とし穴があります。「サービス」「接客」という大きな単位で考えるから難しいのです。作業とは動作の集合ですから、動作単位で変えていけばいいのです。

勉強と同じで「英語を話せるようになりたい」と考えるから難しいのです。
英語を話せるようになるには、単語・文法・発音・文化をマスターしていきます。あなたの隣の人が単語100をマスターしているとしたら、101マスターしたら隣の人より、上になります。

さて、あなたと隣の人を前にして、審査員が、どちらが堪能ですか?と質問します。
ふたりとも自在に話せる状態ではありませんが、質問者は単語をどれだけ知っているか確認します。明らかに差を感じさせるには、いくらぐらい多くマスターしておけばいいでしょうか?101では差を感じませんが120だったら差を感じるでしょう。

小売サービス業とはいうのは、地域での競争なので、日本一でなくてもいいのです。でも地域で一番にはなっていたい。地域と言う表現は曖昧ですが、たくさん売りたいのならお客さまが来店する範囲いっぱいにできるだけ広くとります。来店する範囲というのも曖昧でいちがいに距離だけでは測れません。自分たちの活動で変わるからです。それはさておいて、とりあえず来店している範囲では一番になりたい。

一番になるには、動作のひとつひとつで上回ることです。
そういうと難しく感じますが、それほどでもありません。

ひとつひとつの動作、たとえば最初の挨拶で一番になろうとしているか。そういうことです。一番になるために動作をできるだけ分解します。地域一番である動作を徹底的に浸透させます。

このときに「地域一番になる動作」をめざしてはいけません。「地域一番の動作をしている」をめざします。つまり可能性を問うのではなく、実行を問うのです。・・・・することはたくさんありますが、浸透させます。そのコツはすぐに浸透させることです。すぐに浸透させるには指導する側が期限を切ってやり遂げることです。それが一番簡単な方法です。
「授業を受けても80時間以内に復習しないと80%は忘れるといいます。」を忘れないようにしてください。

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2010年3月25日木曜日

店を選ぶ理由とその根拠を具体的に見せる



お客さまの立場に立てば「なぜ、あなたの店を利用しなければいけないのですか」という疑問は自然なものです。店側は、その理由をはっきり伝えなければなりません。

その理由と根拠を見せ続けることが、見込客づくりになります。
理由と根拠を見せ続けていくことで、気にもしていなかったお客さま予備軍は注意→興味→関心の順番で店に関心を持ちます。
つまり、ただ理由と根拠を見せ続けたらいいというのでは余りにも拙い(つたない)。どのように、理由と根拠を見せ続けると、より強く、より早く注意→興味→関心に進むのかを日常的に考えて行動するようにします。

お客さまに「理由と根拠」を見せようとしているのに、ひとりでも反対の行動をするパートナーがいたらデメリットになります。そこで教育・訓練で撲滅に全力を注ぎます。自分の店のパートナーに「理由と根拠」を教えて実行できないようではお客さまに「理由と根拠」をお見せできないのが本当でしょう。

「あなたの店を利用しなければいけない理由」をはっきりと伝えることができるようになった店には行列ができます。

行列ができるようになった店は、「理由と根拠」が、今度は「約束」になります。「約束」を守らないと、「理由」は嘘に変わり「根拠」を提示できなくなります。今度は、批判が待ち受けています。なんとしてでも約束を守るのが店の信用です。約束以上のことができて、「理由と根拠」になります。約束通りでは、当たり前です。約束以下は「裏切り」です。
この状況に耐えて克服することが。店を強くします。つまりパートナー全員が以前にまして成長していることが「理由と根拠」の条件になります。

さて、ここからが問題です。
理由と根拠を、見込客、新規客、リピーター、固定客・・・どのお客さまの目線を参考にして見るかで、することが変わります。

口コミで来る新規客を除けば、新規客をつかむには、実際のサービス力は関係ありません。体験していないわけですからサービス力を知りません。この段階で大事なのは「期待感」だけです。つまり必要なのは伝える力です。理由と根拠を伝える力です。

どこの店でも、サービスがいいことを強調します。食べ物屋さんを見ると分かるようにみんなおいしいと強調しています。大事なのは「いい」ことを強調するのではなく、「どういいのか」を具体的に伝えることなのです。

ところがほとんどはそれを伝えていないのが現実です。そこでお客さまは価格を基準にするしかないのです。
だから安いとお客さまは来ます。その最大の理由は違いが分からないからです。
特に消耗品で品質に差がない場合には安さは大きな魅力です。しかし価格差がさほど大きくない場合には他の要因のウェイトが増します。

売る側が一方的に安さを訴求していないか?
「なぜ、あなたの店を利用しなければいけないのですか?」にどのような答えを出しているのか、それが問題です。

・(存在価値を感じることができる)必要または欲しいものがある
・(存在価値を感じることができる)きちんとした完全な商品(あるいは役務)
・(存在価値を感じることができる)買いやすさ
・(存在価値を感じることができる)気持ちよさ
・(存在価値を感じることができる)コストパフォーマンスの高さ

「サービスの条件を満たしているか」・・・・この問いかけにどれだけ関心を持って仕事しているのか?見込客、新規客、リピーター、固定客・・・お客さまが作られていく真実はそこにあります。

そこでひとり勝ちと言われるユニクロにヒントを見ましょう。
ユニクロは価格の安さが売りです。しかしそれだけではありません。ユニクロが最初、切り札にしたのは「フリース」であり、続いて「エアテック」、「ヒートテック」という素材です。どこにもない商品力を「選ぶ理由とその根拠」にしています。店に行けばなんでもあります状態に近いのですが、「選ぶ理由とその根拠」では逆です。徹底的に商品を絞り込んで商品力の違いをアピールしています。

その結果、「他にない優れた商品を並の商品よりも安く販売している」というイメージを植えつけています。しかも接客レベルは高級品に見劣りしないイメージを大切にしています。?
商品を絞り込むことで違いを明確にして、他で買えない商品力を際立たせて、どこよりもサービスの条件を満たしていることを「選ぶ理由とその根拠」にしているのです。分かりやすさがひとり勝ちを実現しています。

同じことは餃子の王将にも、マクドナルドにも共通しています。

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繁盛する条件




 本当に価格を気にしている人は、面倒を苦にしません。苦にしないのは、安く買うための努力が習慣になっているからです。

 メールクーポンを「もっと簡単に見やすくしろ」というお客さまが、実は利益に貢献していただけるお客さまです。
価格を気にしているようでも気にしていない人なのです。もちろん意識は「安く買いたい」と思っています。しかし面倒とお金を天秤にかけたらお金はいいからさっさとやってくれ」というお客さまなのです。価格が高いだけで動かなくても、サービスが悪いと他店の価格を目印にして動いてしまう人です。

 こういうお客さまは特典のことを聞かれないと怒ります。価格の問題ではなく約束を守らないことで怒るのです。逆に聞かないと「損をした」で怒る人もいます。
さて、どちらのお客さまの方が来なくなる率は高いでしょうか?もっとも儲けさせてくれるはずの「予備軍」、あるいは「貢献済み」のお客さまの方が確率は高いのです。彼らは「価格」よりも「裏切り」に怒ります。

さて、ここに最も大事な問題が潜んでいます。ビジネスはコミュニケーションであること。つまり「商売とは人間の問題」だということです。

ですから、どんな業種でも、会社でも、顧客の目線に合わせろといいます。自分たちの目線で考えるな、行動するなと戒めます。とても大事なことです。
大事なことですが、それはやって当然のレベルなので売上は増えません。だからこれもできないと言うのなら、売り上げは減ります。

 売上を増やすには、お客さまの心を動かさないと増えません。つまりお客さまが考えもしない目線でないと売上は増えません。お客さまの気持ちを動かすには、お客さまが体験していないレベルのサービスを提供をしなければなりません。「こんなこともあるんだ」と気づかせてあげるのが心を動かします。

そこで勘違いする人がいます。奇異なサービスをやって驚かせようとする人です。これはバッドテイストです。バッドテイストは世の中にあふれています。人を大事にしない元気を奪うものです。代表的なものひとつあげましょう。高速の休憩所や駅の売店で売っている由緒のあるみやげ物の中に紛れ込んでいる“土産もの”です。世の中にはもっともっとひどいものがあるので、まだマシな方ですが、買う方も見抜いています。「土地の名前が入ったもの」と基準を下げているので買います。

 「こんなものだろう」という安易な妥協で作られた商品やサービスあるいは店。いまはこういうものが氾濫していますので、慣れた人にはバッドテイストが身にしみ込んでいて、違和感のない人も増えています。売る側にも買う側にもいます。買う側にいるなら気にすることもないだろうと思うかも知れませんが、その発想がバッドテイストです。センスの問題で片付けられない重要なことです。

サプライズの方法もいろいろですが、ここでいう“お客さまが体験していないレベル”とは、「こんなにも自分を大事にしてくれるのか」というもの。つまり、最大の販促は、目的の確かさなのです。(目標とは違います)目的はないがしろにされやすいものですが、優れた目的以上の販促はありません。
なぜなら目的は、サービスの条件を満たす絶対条件になるからです。間違った目的、浸透しない目的のもとで、サービスの条件が満たされることはありえないからです。しかもお客さまの未体験レベルを実現するなら尚更、目的がモノを言います。

繁盛する条件をもう一度整理してみましょう。

・目的
・お客さまが店を選ぶ理由
・見込客(仕組み+注意・興味・関心)
・新規客(仕組み+忘れさせないサービス)
・リピーター(仕組み+飽きさせないサービス)
・固定客(仕組み+卒業させないサービス)

 それぞれ(   )でくくったことが、「サービスの条件」に反映され、表現されていることが繁盛の条件です。

 お客さまが店を選ぶ理由に、価格が安いがあります。その一方で、価格を安くしても新規客が来ない、リポートしないケースもあります。なぜでしょうか?

 この違いは「目的」です。価格差が大きい、小さいではなく、目的なのです。一般に競争相手との価格差が大きい(安い)と目的を伝えやすくなります。小さいと目的が伝わりにくくなります。価格差に経営方針を感じます。たとえば“お客さまの味方に立った商売をしている“というものです。ですから優先順位を間違えていると間違った行動をしてしまうので注意しましょう。つまり方針もないままに、価格が安い先にあると、お客様をないがしろにするサービスをしていても平気というチグハグが起こります。これだと価格差がなくなるともろい商売になります。逆の場合にはお客様はついてきます。つまり価格差が小さくても目的をしっかり伝えることができると新規のお客様もリピーターも来ます。

その根本は、こういうことです。「何年も取引しているところがあるのに、なぜあなたの店を利用しないといけないの?」こう聞かれたとき、何と答えますか?この答えが最大の販促になるものでなければいけません。

では、お客さまがあなたの店を選ぶ理由とはなんでしょうか?普通なら、あなたがパートナー(従業員)全員に一番うるさく繰り返し言っていることです。50文字でまとめてください。

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クーポン券が小さい理由



クーポンメールはなぜ手間がかかるのか?

店はお客さまと協働で作っていくものだとお話しました。
しかし、経営の主体性は会社にあります。ですから、まず店がお客さまに投げかけて、お客さまがキヤッチして投げ返す関係にあるのがほとんどです。

ところで「クーポン券」がなぜ小さいか、その理由はご存知ですか?経費節約?

 では、TUTAYAなどのクーポンメールは、なぜ手間がかかるようになっているのか?その理由も経費節約だと思いますか?TUTAYAのメールは、まず画面の下にスクロールして、 URLをクリックして、クーポンのアイコンのあるサイト内のページに移動して、割引資格を提示できて、はじめて割引を受けることができます。お客さまを集客するだけならそんな手間をかける必要はありません。それにTUTAYAにはすべての会員にクーポンなしで割引するサービスデーもあります。

 いまでは、劇場でヒットした映画でも、1年も経てば廉価版DVDがでます。ヒットした映画ならレンタルもあるし、家族で見るなら断然安く鑑賞できます。
それなのに、古い映画のDVD5枚組ボックスが、リリースされてから3年を経過しても価格据え置きのまま、バラ売りもされないものがあります。

クーポン券、メールクーポン、DVD5枚組のボックス・・・これは全部「価格差別という手法です。価格差別というと、売るために安くしているのだろうと思いますよね。そうです。

「クーポン券」がなぜ小さいか、その理由はご存知ですか?これは価格の扱い方の問題なのです。

価格差別

価格差別とは、基準価格を上回る、あるいは下回る価格設定をすることです。
そもそも価格差別という手法は、市場を独占化したポジションにある会社がするものです。
どうして独占化した会社が、価格差をつける必要があるのか、疑問に思われるかも知れません。
それは現実に、自社のポジションに関係なく価格差をつけて販売している状態になれてしまっているからだと思います。

現実がそうだから、それはそれで受け入れたらいいのですが、但し価格差別の意味を正しく理解しておかないと間違いを冒す可能性があるので注意してください。

価格差別は、最大の収益を得る手法なのです。
価格差別は、お客さまを獲得するために、欲しい収益を我慢してでもがんばろうというものではありません。

独占した状態と言ってもお客さまがついてくる限界があります。
お客さまにはいろんな人がいます。

・高くても買う人
・安ければ買う人
・もっと安ければもっと買う人

などです。そこで市場を独占化した会社は利益を最大化するために、同じ価格で売る必要がないと考えます。
お客さまがついてくる範囲で、高くても買う人には高く売ればいいのです。安くしないと買わない人には安くすればいいと会社は考えます。もっと安ければもっと買う人にはもっと安くしてもいいのです。
そうすると適正な売り方ができて収入も最大化できます。これが価格差別の目的です。
市場を独占化した会社が価格差別をする理由はそこにあります。

効果的に価格差別を実行するには、顧客層と価格をどうマッチングさせるといいのか、会社は考えます。
その代表例をマクドナルド、餃子の王将、 TUTAYA、コンビ二各社に見ることができます。
これらは全国同じ価格で販売していません。
まず都市と地方で違います。さらに同じエリアでも店舗によって違うことがあります。オフィス街と学校の近くでは違います。その上シニア割引、学割があり、さらにメール割引やクーポンなどで価格差をつけています。

その基準の目安が「収入」です。そこで都市と地方で価格差があるというようなことが起こります。
しかし金持ちだから高くても買うとは限りません。収入が低いから高いと買わないとは限りません。忙しいと構っていられない人もたくさんいます。「時間」の問題です。
つまり「収入」と「時間」の有無が、価格差別の基準なのです。

クーポン券が小さい理由

では、どのようにして「収入」と「時間」の有無を把握するのでしょうか?
そこでクーポン券なのです。クーポン券でお客さまの選別をするのです。

クーポン券が小さい理由はここにあります。
メールのクーポンが手間のかかるようにしてあるのも同じ理由です。
お客さまが価格にどれだけ敏感に反応するかを判断するために小さいのです。
お客さまの価格に対する弾力性を見極めているのです。

弾力性とは、弾力性が大きいグループ、安くするともっと買う人たちです。

弾力性が小さいグループとは、価格変動に反応しない層の人たちです。このグループには安くしても売上に影響しないので高い設定をします。

つまりクーポンの扱いが不便なのに使うというのは、安ければ買うというメッセージです。
逆に手間のかかるクーポンなんか使いたくないというのは、高くても買うというメッセージです。
要するにクーポンを発行している会社は、安売りするためにクーポンを出しているのではないのです。メッセージを受け取って、利益を最大化するために価格設定に使っているのです。
これも全国同じ価格で販売していないのと同じ理由なのです。

・高くても買う人
・安いと買う人
・もっと安いともっと買う人

お客さまをグループ分けして、お客さまの弾力性を考慮して「客数×客単価」のバランスで最大の利益を獲得する手法が「価格差別」なのです。

さらにグループわけしておくと、投げ網が使えるので、効率の悪い一本釣りをしなくてすみます。

自己選択型の価格差別

面倒なクーポンを使ってでも、お客さまは設定されたいくつかの価格から、自分の価格を選びます。これを「自己選択型の価格差別」と言います。つまりお客さまは自分からグループ分類に積極的に協力してくれているのです。店とお客さまは、価格の点でも協働しているのです。

TUTAYAの場合、店舗によって価格が違います。しかも新作、旧作の分類も時期も違います。
同じ地域でも、顧客層で価格を変え、品揃えも変えています。
実はこの原型が、アメリカのクルマメーカー、ゼネラルモーターズ(GM)の戦略です。


ゼネラルモーターズの反撃

そこで、もっとも価格差別の本質を理解しやすい事例をご紹介します。
クルマが普及するきっかけとなったのは、1908年、フォード社が当時画期的なベルトコンベアー式工場で作った価格の安いT型フォードの登場です。T型フォードは他社の1/3の価格で購入できたのです。
この生産方式は、チャップリンの映画「モダンタイムス」の題材になるほどでした。
自動車はもはやフォードの独壇場になり、競合他社は合併を余儀なくされました。

統合してできた会社がゼネラルモーターズ(GM)です。それでもGMは競争の対象に ならない存在でした。

1924年のこと。T型フォードの価格は量産に次ぐ量産で発売当初の1/3まで下がっていました。シェアはフォードがT型フォードだけでも 56%を占領、GMは全部合わせても12%程度です。太刀打ちできる状態ではありません。しかし・・・

 GMの反撃はここから始まります。GMは、「サービス力の違い」で打って出ます。お客さまが欲しくなる車を開発、価格が高くてもいい人には高級車、安いのがいいという人には安いクルマ、安ければもっと買いたいという人には、さらに安いクルマというように、お客さまの志向に合ったクルマをフルライン化したのです。これが価格差別の典型です。

この戦略が功を奏して、GMは、フォードを制して全米トップに立ちます。「価格差別」を「サービス力の違い」でやり遂げたのです。


サービス力があって価格が活きる

価格差別をするには条件があります。
「転売」の問題です。
転売できないようにしないと価格差別が難しくなるのです。
A社がB社に高く売りたい商品を、安く買ったC社が転売するとB社に高く売れません。それどころか、C社がどんどん販路を広げて安く売ると、A社は価格差別ができなくなります
これを封じるには、転売できない条件がついていることにつきます。
転売できない条件がついていると価格差別がしやすくなります。

その点、「サービス」は転売できません。これをやり遂げたのがGMなのです。
先にあげたファーストフードやコンビ二も価格差別ができるのは、待たずにすぐ買える条件がついているからです。TUTAYAが価格差別できるのは品揃えの豊富さです。
餃子の王将が価格差別できるのは、早い、うまい、安いです。そして全体に言えるのが立地に合わせた店舗の差別化なのです。

古い映画のDVD5枚組ボックスが、リリースされてから3年を経過しても価格据え置きのまま、バラ売りもされないのは、安くしたらから売れるものでもなく、マニアックな人しか買わないものだからです。だから買った人は転売しないので中古市場にも出ません。

もし中古市場に転売されるようならば、価格は下げざるを得ませんが、それもないので高くしておいた方が最大の利益が出るので高いままなのです。マニアックな人がこの値段なら買うと決断する状態にするのが売る側のスキルなのです。それができると売れた数が少なくてもドル箱になることもあるのです。

値下げ要求が通用したら買い手が喜ぶように、価格の問題はお客さまの視点で観ると、安く買えるのはサービスのように思います。

しかし、売る側にとっては安くても高くても関係がなく、どうしたら利益を最大化できるかの問題なのです。

 たとえばガソリンスタンドのような場合、画一的なセルフサービスが増えるほど、特約店はサービスが封じ込まれる結果、価格差別が難しくなります。サービス力で抜き出たところは価格差別がやりやすくなります。

ここで新たな問題が生じます。サービス力を駆使して価格差別をする店は、売るために無意味に価格を下げようとするものと遭遇するからです。これは黎明期のGM対フォードのような状態です。価格を下げて売り勝つには、「サービス条件」がついて回るのです。

価格差別の意味を正しく理解しておかないと間違いを冒す可能性があるので注意してくださいと言ったのは、この点なのです。

つまり、サービスが他社よりも明らかに良いときに、価格は力を発揮するのです。

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いい階段、よくない階段



見込客さらに新規客にする「階段」を用意する

 お客さまが自然だと感じることができるコミュニケーションをする。つまりホスピタリティを柱にして安心を重ねながら、その一方でお客さまの感情を動かすことで、関心を高めて、「必要でないし、欲しくもない」状態から、見込客に引き上げ、「必要だし、欲しい」状態に段階的にアップしていきます。

必要と欲求のバランスが変わるようにすることが大事なのです。
バランスと変える力が、親切を基盤にした信頼と楽しさなのです。

真面目に努力していたらいつか報われると考えている人には、安心を重ねることはできても、お客さまの感情を動かすことには関心が低いので成果がついてきません。

いい真面目とよくない真面目


見込客さらに新規客にする「階段」には、販促がありますが、もっとも大事なのは「コミュニケーション」です。
来店されたお客さまには必ず満足して帰っていただく強い意志を持った、ホスピタリティを柱にした「コミュニケーション」です。

ところが、俗にいう「サービス」がいいから売れるかというとそうとも限りません。
(俗にいうサービスがいい店とは、ここで言い続けている「サービスの条件を満たしている店」と違います。)
真面目に行動することは大切です。信用の基本です。しかし真面目には落とし穴があることを知っておきましょう。
不真面目のススメをするわけではありませんが、とても大事なことです。

真面目には、いい真面目と、よくない真面目があります。
いい真面目とは自分を信頼している真面目です。
よくない真面目とは、自分を信頼していない真面目です。

自分を信頼している真面目は、自分が相手に受け入れられるための真面目ではありません。
自分を信頼していない真面目は、自分が相手に受け入れられるための真面目です。

つまり、自分を信頼している真面目は、相手のことを考えることができる真面目です。ホスピタリティにこだわれるのは、この真面目です。
自分を信頼していない真面目は、相手のことを考えているようですが、実は自分が受け入れられるためなので、相手のことに気が回りません。考えているのは自分のことなのです。

自分を信頼していない人は、コミュニケーションするとき、相手が自分をどう思っているかに注目します。そのため相手の考えや意見に集中できません。
傾聴ができません。

傾聴とは、簡単に言うと相手の考えや気持ちを相手の気持ちになったように理解しようと聴くことです。相手とは別な人間なので、簡単なことではありません。だから一生懸命に聴かざるを得ません。自分のことを考えながら聴いていたのでは理解できません。
自分を信頼している人は、これができます。自分のことを忘れて、相手の考えや意見に集中し、相手がどんな人か、どんな気持ちなのか、何を言いたいのか、どうしてほしいのか、できるだけ深く相手を知ろうします。

自信がないと、これができません。これは悩みを持っているこどもが、授業に集中できない状態にそっくりです。先生の話を聞いていない子は、家に帰っても勉強よりも不安に関心を持っているので、成績が悪く、他者との比較で自信をなくします。

相手が自分をどう思っているかに注目していると、これと同じことが起こってしまうのです。ますます自信を失くします。より一層、相手が自分をどう見ているかに注目するようになります。
自分の不足を指摘されると、批判されていると思い込み、拒絶的な態度を強めてしまいます。
このように自分がどう評価されるかが気になると、温かみのある深いコミュニケーションは不可能になります。よくない真面目とは、これなのです。これでは売れません。

売れないのは「楽しくない」からです。楽しいというのは冗談を言って笑わせるとかそういうことではありません。サービスの条件のひとつである「買いやすさ」につながらないのです。なぜなら相手が主役ではないからです。

【サービスの条件】

・(存在価値が感じられる)必要または欲しいものがある
・(存在価値が感じられる)きちんとした完全な商品(または役務)がある
・(存在価値が感じられる)買いやすさがある
・(存在価値が感じられる)気持ちよさがある
・(存在価値が感じられる)コストパフォーマンスの高さ

自分のことが気になった上での真面目な接客には、一応の気持ちよさが感じることができても、温かみのある「買いやすさ」に届かないのです。
これでは、見込客づくりで損をしてしまいます。

ですから、お客さまの身になった接客をどんどんして、自分を信頼できるようになるようにします。
接客が苦手な人でも、お客さまの身になった接客をしていると、必ずいい反応が返って来ます。やればやるほど自信がつきます。


見込客づくりのポイントは傾聴。


私たちが暮らす社会で一番多い悩みや解決したいことは「人間関係」が断然トップです。家族間のコミュニケーションすら思うようにいかずに苦しんでいる人がたくさんいます。

「人間関係」の問題は、「傾聴できない」「傾聴しない」のが原因なのです。実は傾聴できれば解決できることが大半なのです。

ですから、お客さまは、買い物に行ってまで「自分の言うことを聞かずに、店の都合が優先される」状態には、本当にうんざりしているのです。

そのことが分かっていて、繰り返し傾聴できれば、信頼関係は築けるのです。
このスキルはとても重要です。なぜなら、あまりにも傾聴できない店が多すぎるからです。本当にうんざりしているからセルフを好むのです。傾聴できないのはデパートの業績不振の一因でもあります。
ネット販売が順調なのは、セルフでありながらメールとサイトを使って傾聴しているからです。

しかし、うんざりしている人が多いほど、差別化するポイントになるのです。

さて、傾聴するには、傾聴する機会を作らないとできません。
そこで「会話」のきっかけが重要な役割をします。
ホスピタリティの出番なのです。そういうとテクニックのように聞こえるかも知れませんが、因果関係を考えたら、それしかないのです。

お客さまへの気づかいの質問、それしかありません。いくらでも用意できます。毎日変化している天気とドライブの関係からでも、気づかいの質問は作れます。クルマはひとつ間違うと凶器なので、気づかいの質問ができます。
余りそういう意味で取り組んでいるSSは少ないのですが、実はボンネット内点検も、そのひとつなのです。これはしておきべきですね。油外収益の見込客作りという点では外せません。

先にお話したように、油外収益でも真面目のあり方が影響します。
自分を信頼している人(店)は、自分が相手に受け入れられるためのサービス、点検ではありません。相手のためにします。
自分を信頼していない人(店)は、自分が相手に受け入れられるためのサービス、点検です。自分のためにします。


コミェケーションを良くするポイントは「私を主語にする」


信頼関係を作るうえで、傾聴と併せて、実行したいのが、主語です。
英語なら、「I (アイ=私)]を主語にして話す習慣があります。
率直、誠実、自己責任を柱にした快適なコミュニケーションをめざすには、英語のように「私」を主語にしましょう。

実際に使ってみると分かりますが、自分の使う言葉に対する責任感が変わります。
「私はこう感じる」「私はこう考えている」と主体性が自分にあるのがはっきりします。

これが「あなたが言った」「あなたの考えだ」というように主語を自分以外にすると、責任感が薄れ、主体性は自分から遠のきます。クレームになる発言を思い出してみてください。「私」がなく、「(あなた)」=あなたとは声にしていないがあなたが主語のはずです。
責任を引き受けたくない人にはうってつけですが、自分の仕事なのに、傍観者のように感じます。それが狙いということであれば成功ですが、その成功は決定的な失敗になります。
お客さまに対してもそうですが、自分への信頼感を高めるには、ぜひ「私」を主語にした会話をしたいものです。

信頼感は階段の基本です。階段にはいい階段とよくない階段があるのです。お客さまが昇りやすい階段を用意しましょう。

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見込客の 心にレッドカーペットを。



見込客
新規客
固定客
の順番で、ステップアップしていくことをお話しましたが、今回はさらに

・お客さまには2種類ある
・お客さまの計算
・店側のあり得ないムリな要求
・長期、短期の両方で心を動かす階段を用意する

お客さまには2種類ある。

見込客
新規客
固定客
の順番でプロセスをたどります。
ところが、売りたい気持ちがいっぱいの会社(店)側は、お客さまには2種類あることを忘れてしまいます。

お客さまには2種類あります。
・現在、お客さまの人
・将来、お客さまになる人

「現在、お客さまの人」は「固定客」のみです。
「将来、お客さまになる人」が「見込客前の人」「見込客」「新規客」です。


通りすがりの旅行中のドライバーが、クルマのバッテリー・トラブルに遭遇した場合、ほぼ一瞬にして、バッテリーは「必要でないし、欲しくもない」商品から、いますぐ「必要だし、欲しい」商品に変化します。この方の場合は「新規」の「現在お客さま」です。

しかし、トラブルに遭遇していない状態なら「必要でないし、欲しくもない」のが普通です。見込客ではない状態です。見込客でもないお客さまにセールス活動をしかけても、ハエか虫扱いされるのが普通です。

お客さまの計算



お客さまには、マトリックスで示したように、プロセスがあります。

・必要でないし、欲しくもない
・必要だが、欲しくない
・必要でないが、欲しい
・必要だし、欲しい

必要と欲求のバランスの背景には、メリット・デメリットの計算があります。
お客さまは計算しているのです。
お客さまが意識する背景には、メリットの計算があります。メリットの計算をマトリックスにしたものが次の表です。

・買わないメリット
・買うデメリット
・買わないデメリット
・買うメリット

この表を、先の必要と欲求のマトリックスに重ねると、こんな感じになります。



買わないメリットでいっぱいのお客さまにセールスをかけると、お客さまは不快感を感じるだけでなく自分の生活の「敵」だと判断します。虫やハエならまだマシというわけですが、敵になってしまうと、もう二度と買っていただけません。

店側のあり得ないムリな要求

お客さまの心理をよく考えましょう。
見込客でもないのに、いきなり買ってくださいというスタンスは、通りすがりの人にいきなり恋人になろうというようなものです。

この状態は、お客さま側の心理に相当な負担があります。
いい仕事をするのに意欲が必要なように、買うにも意欲が必要です。心の準備が整っていないのに、買うというのはまさしく高い崖をよしのぼるような行為なのです。

売る側にしても、2%の人を相手に商売をして、98%の人に不快感だけを与えるに等しいという実にリスクの高い非効率な商売をすることになります。
両者にとって、いいことがない「WIN-WIN」とは真逆の発想です。

よく認識しておいてほしいのですが、これは時間の経過の問題ではなく、心の動き方の違いです。
先の「バッテリー・トラブル」のように、1秒前までは意識もなかったものが、急変することもあれば、10年来店いただいて意識が変わらない場合もあります。

だから心の階段を作りレッドカーペットを敷いてあげて、段階的に上がって来られるようにしてあげると意識が変わることもあります。これが見込客を作る作業で寸。
あくまでステップを踏むのは、お客さまです。お客さまがステップを踏む動機は心が動くからです。心が動くのは、会社(店)側が心を動かすようにするからです。


長期、短期の両方で心を動かす階段を用意する

会社(店)側がするのは、長期と短期の両面です。

・この会社(店)を信頼しているので、アドバイスを受けよう
・ここで買いたい

これは心を動かして、心をつかむことで実現できます。
心をつかむには、心が動かない状態ではつかめません、心が動かないとは自分の部屋の閉じこもった状態と同じだからです。でも心が動いて、会社(店)側に向くと、つかめます。

心をつかんでおくと(つまり見込客にしておくと)取り扱っていることを知っていると、困ったことがあれば相談にお見えになります。

階段を用意すうrことは販促でもできますが、階段にレッド・カーペットを敷くのはホスピタリティです。

心にレッドカーペットを。

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見込客を創る



見込客でない人を見込客にして、さらに固定客にしていく


全く興味を持たないお客さまを固定客にするステップは次の通りです。

1)見込客
2)新規客
3)固定客

見込客を固定客にする手順は「新規オープン」の事例が分かりやすいと思います。

新規オープン店は、顧客がゼロから立ち上がります。
そこで新聞折込など告知をして、新しく店ができたことを知らせます。
このとき、反応してくれる人は2%程度です。ポスティングをしても6%程度です。

つまり98%の人が、新しい店を「必要でないし、欲しくもない」と考えているのです。
2%の絶対数値次第ですが、この状態で立ち上げて淡々と商売をしていたら、思うように伸びません。それでもライバルの失策で不満を持ったお客さまが徐々に移ってきます。
しかし、こちらの方が、以前利用されていた店以下のサービス力なら、また去って行きます。

永年やってみて、閉めていく店がたくさんあります。それぞれに口々に「やれることはしたんだけどな」「こんなビジネス環境では。」と話します。しかし見込客を作る努力をしたのかどうか、やるべきことをしなかった結果が大半です。


見込客を作る

法人取引を中心に展開していると、顧客獲得のために飛び込みや紹介で、相手方を訪問して交渉、その取引成立に向けて、その後もフォローします。

この場合のプロセスでも分かるように、最初から見込客であったわけでなく、接点を持つことからスタートして、交渉を重ねて「見込客」にしていきます。
交渉をしても見込客にならない場合もあります。
つまり、見込客がそこにいる場合もありますが、どちらと言うと”見込客にしていく””見込客を作っていく”方が多いものです。

法人取引の場合、管理表を作ってフォロー状況を記録しておけば、見込客数もすぐに分かります。さらに個々の見込客の予測使用数量を計算すれば、販売予測量も算出できますので、目標数量の不足分は、新たな見込客を作って補うようにします。

現金の場合でも要領も同じです。
小売店の場合、個人ユーザは一軒あたりの購買量が少ないので、費用対効果の見地から、個別に訪問して交渉せずに効果的な告知をするのが主たる活動になります。

商圏を活動しやすいようエリアに分類して、告知を繰り返します。大々的に新聞折込をしても2%、ポスティングをしても7%程度ですから、小規模な告知では限りなく反応はゼロに近い。それを前提に反応が出るように繰り返していると、必ず反応が出ます。

エリア別の世帯数、自動車保有台数、来店台数から見込客数が見えてきますので、対象商圏の見込客数が把握できます。続けていると、反応の高いエリアと低いエリアが数字になって表れます。

次に見込客数の多いエリアから重点的にアプローチして、新規客数を増やしていきます。

 書くとこれだけのことですが、漫然と気まぐれで告知していても効果はでません。
効果的な方法を採るということは、お客さまの心理に基準を合わせて行動するわけですから、自分たちの都合は二の次です。同じ人間ですからつらいことはつらい。しなくてすむ無理ならしないほうがいい。

そこで、ダラダラと続けて、士気の下がった状態で仕事を続けるか、覇気や活気のある状態で続けるか、いまと少し先、さらに将来を予測して「最善」を選択します。
会社も従業員も、一生のことに影響すること、「丸太橋は一気に渡らないと落ちてしまう」のが道理なので、ムリをしたなら、一刻も早く求める結果を出すように急ぎます。

告知で記憶を強くしたお客さまを、来店していただく行動にステップアップするために、どうすればお客さまの心を動かせるか、全員がひとつになって挑む態勢を作ります。

どういう理由で、どういう目的で、なぜそうするのか、繰り返し、繰り返し、行動によるイメージの記憶と、考え方を説明した言葉の記憶で、意識を作っていきます。

「店に来たお客さまはひとりでも多く感動させて帰っていただく」
「お客さまを待っている仲間にひとりでも多くのお客さまを送り込む」

告知を応援するのは現場の接客、現場の接客を応援するのは告知。一人二役、やっているのは、どちらも同じ人間が実行する相互補完の関係です。

そうして見込客を作り、新規客を作り、固定客を作っていきます。小売店の場合、この緊張感が店頭の軒先に出ます。店の前を通過するお客さまのなかにも見込客を作っていきます。

「少しでも楽ができるように」の気持ちがムリを自ら重ねる。それが接客に出るので、やった分だけお客さまが増えていく仕組みができます。
見込客が増えれば、新規客が増え、新規客が増えれば固定客が増える。その仕組みが機能して、他社(他店)よりも、リピート率が明らかに高い状態になったら、口コミが起こります。
口コミは仲間が増えたようなもの、しかも、もっとも効果的な告知をしてくれます。

こうして、もっとも大事な数式のバランスがとれるようになります。

(客単価-新規客獲得コスト-原価)×客数=利益

客単価は、期間と取扱商品で変わりますが、その基盤になるのは信頼関係の強さです。信頼関係が強いと、期間は長く、売れる商品の点数、金額も多くなります。
計算するときは「期間」を考慮しましよう。


数式の意味

(客単価-新規客獲得コスト-原価)×客数=利益

この計算式が言わんとしていることは、「買ってください」ではなく、「売って下さい」というお客さま、正確には「もっと売って下さい」と言うお客さまをどれだけ多く作ったかと計算するものだと言えます。


売れる状態にするために不可欠な条件


私たちは、仕事、家庭、地域、子育て、介護など心配事がたくさんあります。比較的気楽な若い世代でも、勉強、彼氏、彼女、ほしいものなど気になることがたくさんあります。
どんなビジネスでも、その行き先には、98%の「ノー」「どうでもいい」「関係ない」が待ち構えています。職場を離れたら自分も98%にひとりです。

「おれにはすることがある。それどころではない」と考えているお客さまの意識に、入り込む、それも受け入れられるよう入り込まないと商売になりません。

インターネット・マーケティングでは常識になっている「パーミッション・マーケティング」つまり、あらかじめ承認を受けた顧客や消費者に対してのみ勧誘や販売を行うルールです。

どんなビジネスでも、お客さまの気持ちが動かないと「お客さま」になってもらえません。「お客さま」になるには順序があります。

それが、次のマトリックスです。

・必要でないし、欲しくもない
・必要だが、欲しくない 
・必要でないが、欲しい 
・必要だし、欲しい

私たちは、「なぜ、こんなものが売れるのか」と疑問に思うことが多々ありますが、欲しいから買うのです。
必要は計算の結果の判断ですが、欲しいというのは感情です。「欲しい」が強くならないと売れません。

欲しいと思うようにする方法が組み込まれていない計画は、因果関係を計算していない空想でしかありません。
感情を動かす方法を組み込んで、実践できるものでなければ計画ではないのです。

最初は大変だと思いますが、半年も一年もかかるものではありません。数ヶ月かかる場合もありますが、因果関係(原因と結果)を掘り下げる、つまり「なぜ」を最低3回以上、繰り返せば、かなり掘り下げられます。掘り下げる、とは、本当の原因が分かるようになるということです。

原因と結果が分かると「障害がどのようにして発生するのか」が理解できるということです。つまり失敗を未然に防げます。それが分かると、今度は「どうしたら"ここに"到達するのか」と、結果から逆算します。因果関係から脱線せずに考えます。

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2010年3月24日水曜日

儲かる仕組み



儲かる仕組み

儲かる仕組みは、
客数を最大化する
客単価を最大化する
新規客獲得コストを最小にする
原価を最小にする
自然と利益は最大化される。

これは売る立場の願望ですが、買う立場でもこの数式は理想的です。
なぜ、買う立場でも理想的なのか、その鍵を握っているのが「客単価」のとらえ方です。

客単価を1回の取引で考えるか、長期間の客単価で捉えるかで、客単価の意味は、売る側にとっても、買う側にとっても、全く違うものになります。

(客単価-新規客獲得コスト-原価)×客数=利益

事例1:(3000円-5000円-1500円)×1000人=▲3,500(千円)

事例2:(30000円-5000円-15000円)×1000人=10,000(千円)

非常に単純な計算です。1回の取引を3000円として、上(事例1)はリポートしない1000人のお客さまを集めた場合.
下(事例2)は同じ1000人が、10回の繰り返しリピートしていただいた場合です。

これを見ただけで、最初に説明したように、人は存在価値を確かめたい欲求を持っている、それを充足することが重要だということがわかります。
つまり、徹底的にサービスの条件を可能な限り最高レベルに引き上げることが仕事の本分であることが分かります。


客単価をどう捉えるか

客単価をどう捉えるかで、ビジネスが変わってきます。
1回の売買の単価を客単価として計算するのが常です。

1回当たりの売上=客単価
1日の売上÷1日の客数=客単価
1ユーザの月間売上÷1ユーザの月間売上回数=客単価

確認したいことによって計算の仕方は違うものの、客単価の「捉え方」は同じです。

しかしクレジットカードのポイントサービスなど類似サービスが百花繚乱の囲い込み作戦が常道の時代の時代には、その事実を無視するわけには行きません。「生涯取引」が目的の囲い込み作戦が激しくなるほど、新規客獲得コストも上昇の一途です。
すると以上のような「捉え方」では、現実に適したサービスができなくなってきます。

ですから「(客単価-新規客獲得コスト-原価)×客数=利益」で計算するのが本当だし、そうなると「客単価」も「取引期間」で計るのが妥当です。
そこで事例1、事例2のような計算になるわけです。
この計算式で計算をすると、「また利用したい」「他は利用したくない」と思ってもらえることが、利益最大化の命綱であることは明白です。

いくら「売れ!」「売りたい」と言っても、決めるのは「お客さま」です。「お客さま」は会社(店)の目的つまりサービスのあり方に共感して、「また利用したい」と考えます。つまり「目的」こそ、あらゆる問題を乗り越える羅針盤なのです。
だから「目的」が真の命綱なのです。


【サービスのあり方】
・(存在価値を感じることができる)必要または欲しいものがある
・(存在価値を感じることができる)きちんとした完全な商品(あるいは役務)
・(存在価値を感じることができる)買いやすさ
・(存在価値を感じることができる)気持ちよさ
・(存在価値を感じることができる)コストパフォーマンスの高さ


「目的」「目標」「計画」

ところが市場に出かけてみると分かりますが、目標を追いかけている会社(店)はあるけれど、目的を追いかけている会社は少ない。そもそも目的と目標の違いすら分かっていない場合が少なくない。

おかげでサービスの改善に頑張っていたら、実績が落ちて来るという奇妙なことが起こってきます。
奇妙ですが、とてもよく分かる現象です。目的が数値目標化したような状態になっているからです。
これは日頃から「がんばって売っていきましょう。」と数値目標を追いかけている習慣をサービス力の改善にも使っているからです。「目的」「目標」「計画」のあり方を間違えて記憶した結果です。

目的は、「一生涯取引していただける関係でいたい」、「ひとりでも多くのお客さまにひとつでも多くの満足を提供したい」など、心のあり方です。

目標は、目的を実現するための具体的な目標や数値目標です。

計画は、目標を達成する具体的な行動を決めたものです。
計画とは、因果関係(原因と結果)を計算して、未来を予測した対策です。
放置すれば生じる障害を事前に手を打つことでうまく乗り越えて、物事が進むように練ったものです。
正しく計画することで、一度やった失敗を繰り返さず、逆に有効な情報として使えるので、成果と人材育成が同時に発展していきます。


不安を動機付けにしてはいけない。

実は「目的」「目標」「計画」を間違って記憶をしたために悩んでいる人が、老若男女、国中にあふれています。その典型が「三日坊主」です。

こういう声があふれています。・・・・「やらなければいけないと思うんです。やる気もあるんですよ。でも時間も足りなくて、優先順位もうまくつけられない。計画も作るんですが”計画倒れ”になる。自分は意志の弱いダメな人間です。」

・・・・こんな風に、自分の気持ちの弱さを原因にする人が多いのです。しかし、いくら自分を責めても、三日坊主を繰り返しても、計画倒れになるのが当たり前です。立っていられないほど薄い計画だから倒れるのです。

なぜなら、「目的」「計画」もないまま、不安が動機になって感情的に目標を設定して、やらねばならないと精神をムチ打つ形で「がんばらなければいけない」と数値目標に勢いだけで向かいます。
しかし感情とは気分ですから、今日はやる気であっても、次の日には気分が変わっているものです。体調が毎日微妙に違うのと同じです。

自分も、部下も、上司も、みんな人間だから同じです。だからこそ、人の上に立つものは、人間とは、感情的な生き物であることを前提にして、感情に流されず合理的に仕事や勉強を進めるために「目的」「目標」「計画」を活用するのです。

「目的」は心のあり方であっても、それでは身動きできないので、「目標」「計画」と段階的に技術に置き換えるのです。
それでも最後は人間がすることですから、気持ちのあり方で結果が変わります。
そこで、正しく技術が使いこなせる「やる気」が必要になるのです。

儲かる仕組みは、
客数を最大化する
客単価を最大化する
新規客獲得コストを最小にする
原価を最小にする
自然と利益は最大化される

これだけだとスローガンです。最大、最小を数値に置き換えて、期限を切ると目標になります。作ろうと思えば目標も簡単に作れます。数字が並んだだけでは、身動きできないので、目標数値を達成するために、”どんな行動をするのか”具体的にしていきます。それが計画です。
つまり目的は憲法のようなもので、計画は法律のようなものです。マニュアルも行動の一部です。
ビジネスとは、小さな技術の積み重ねです。だからやること、やり方を間違えると、うまくいかないのです。


ビジネスは技術

「儲かる仕組み」は、なにを販売するにも、どんなビジネスにも転用できます。
もちろん油外収益にも使います。

その最初のステップは「目的」から始まります。「目的」はこころであり、技術でありません。ところが技術がないと「目的」を技術にしてしまう場合があります。
お客さまはこれを嫌います。自分が金儲けの道具にされていると感じるからです。

・目的をしっかり持つ。
・サービスの条件を整えて実行する
・まだ取引のない人の感情を動かして、見込客を作る
・見込客の感情を動かして、新規客を集める
・新規客の感情を動かして、固定客にする

お客さまの感情が・・・「また利用したい」「他は利用したくない」・・・そう動かないと固定客は作れません。それは見込客を作る条件でもあります。

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2010年3月19日金曜日

お客さまの行動 3つのステップ




お客さまの行動には3つのステップがあります。

STEP.1 見込客
STEP.2 新規客
STEP.3 固定客(既存客)

さて質問です。この3つのステップの内、一番力を入れているのはどこですか?
自分の体験でお話すると、私が一番、力を入れて、行動してきたのは「見込客」です。見込客は、まだ取引がないので、利益になりません。だから、「固定客」と考える人、あるいは「新規客」と考える人もいるかも知れません。決して間違いではないでしょうが、やっぱり「見込客」が重要なのです。

なぜなら「見込客」がなくなれば会社の成長は不可能になるからです。
それなら「固定客」がいなくなると、もっと問題だろうと考えるかと思います。確かにそうですが、「固定客」は必ず減っていくものなのです。必ず減っていくものだから、新規客が必要で、新規客を集めるには、まず見込客が必要なのです。

見込客は、どのようにすれば作れるかを考えてみてください。見込客は勝手に湧いてきません。だから見込客にかかる費用は、「新規客獲得コスト」に含まれます。見込客を作るには、固定客がたくさんいるほど有利です。固定客がたくさんいるとは、たくさんの人が支持してくれているからです。たくさんの人が支持してくれていると、まだ取引していない人も支持する声を聞いて、見込客も増えますので、その中から新規客になってくれる人も増えます。

つまり「見込客」「新規客」「固定客(既存客)」は三位一体の関係なのです。だから「見込客」を最重視すると、「固定客(既存客)」に持てる力のすべてを投入せざるを得ないのです。言ってみれば「見込客」には持てる力のすべてを超える力を投入します。

この関係を行動で体験していくと、自然に「固定客(既存客)」を大切にしたいと思うようになります。新規客がお越しなると、囲い込みの努力が抜けるようなこともなくなります。「見込客」を作る努力の大変さを身にしみて記憶しているからです。
見込客は、「固定客(既存客)」を大切にしていたら自然に増えるものではありません。見込客は作るものなのです。

■ 見込客の定義

営業マンに「見込客は何件あるのか」と聞くと「○○件あります」と返してきます。そ
の内容を確認すると、実際には「ゼロ」ということが少なくありません。
営業マンがあると思っていた件数が「ゼロ」になってしまうのは、営業マンが勝手な判
断しているからです。
「前回いつ訪問しましたか」と聞くと、ほとんどが1 ヶ月前以上だからです。これで
は「見込客」とは言えません。最長でも1 ヶ月以内です。なぜなら見込客とは売り手
が新規客にしたいと考えているから見込客ではないからです。
見込客とは「取引を検討してくれている人」のことです。


■ 見込客の作り方

見込客、つまり「取引を検討してくれている人」を作るにはどうしたらいいでしょうか?
・告知
・アピール
・口コミ

表現は違いますが、手段とメッセンジャーが違うだけです。メッセンジャーの違いで多少表現が違うだけで、内容は同じです。
「当店を利用すると、他よりも断然いいですよ」ということです。だから伝えやすい内容がはっきりあると伝わりやすくなります。
口コミは、その典型です。
難しい説明が必要なら口コミにできません。簡単な内容とは、お客さまが必要としていることです。


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