2010年4月17日土曜日

欲しいというメリットの強さがないと売れない




いくら感情的になって「売りたい」と思ったところで、私たちは共同体で暮らしている。つまり相手の考え、行動があるので、相手が考えないようでは空転するばかりです。空転を熱心にやればやるほど、相手は不快に感じて目の前から去って行く。

「共同体で暮らしている」を強く意識していることが出発点なのです。外に対しても内に対しても同じです。お客さまを大事にすることが先だという理由の本質はそこにあります。裏を返せば内輪を大事にするとこにつながっています、顧客満足、従業員満足はコインの裏表なのです。

・必要だけど、欲しくない
・必要でないが、欲しい
・必要でもないし、欲しくもない
・必要だし、欲しい

この2×2のマトリクスを本質に置き換えてみると、次のようになります。

・必要だけど、欲しくない=買うデメリット
・必要でないが、欲しい=買わないデメリット
・必要でもないし、欲しくもない=買わないメリット、
・必要だし、欲しい=買うメリット

必要でもないし、欲しくもない、あるいは必要だけど、欲しくない商品やサービスからは買うメリットを見つけることができないので買わないメリットが強く働いています。

買わないメリットが強く働いているお客さまに、強くアプローチしても拒絶されてしまうのは努力不足ではなく、してはいけない努力なのです。

するべき努力は「欲しくなる」ようにする努力です。
その努力をするためには、やる気が必要ですが、やる気もマトリクスで判断できます、



・必要だけど、欲しくない=買うデメリット=やらん気(できるけどしたくない)
・必要でないが、欲しい=買わないデメリット=やる気(できないけれどしたい)
・必要でもないし、欲しくもない=買わないメリット=やれん気(できないし、したくない)
・必要だし、欲しい=買うメリット=やれる気(やれるし、したい)

共同体で暮らしていると冒頭に述べましたが、それは「恊働」「共働」も内包、含んでいます。
「恊働」とは、同じ目的のために、協力して働くこと。
「共働」とは、現象が互いに影響を及ぼし合うこと。

「恊働」「共働」と言うと、チームワークを連想しますが、ほとんどお客さまが含まれていないのではないでしょうか?むしろお客さまは対立関係にある敵として意識していないでしょうか、意識では対立しているにもかかわらず、給料はお客さまからいただいていると教えるアンビバレンツな指導が、どのように教育してもサービスをホスピタリティに押し上げない原因になっている会社が無数にあります。

モチベーションとお客さまのメリットは、現象が互いに影響を及ぼし合う「共働」関係にあります。であるなら同じ目的のために、協力して働く「恊働」なしに、必要だけど、欲しくない商品やサービスを必要だし、欲しい、あるいは必要でないが、欲しいに押し上げることはできないのです。

物事の道理としては分かっても、どうしていいのか分からない。分からないから考えない。分かる範囲でやるしかないというのは心情としては理解できても、結局は万人がチャレンジして辛酸をなめながら導き出した原理原則を度外視するとは、一から辛酸をなめながらやるということに他ならないのです。非効率であり、努力を成果で評価せず、苦労の度合いで評価する危険に立ち会うことにさえなります。

私たちが暮らす世界には2つの大きな側面があります。
・原理原則
・自由な創意工夫

原理原則は、先人の数えきれない努力から導き出された答えです。すでに答えがあるから余計なことに労力に使わず煩わされずに前に進めます。しかしそれだけでは競争には勝てません。お客さまに忘れられない、飽きられない、卒業されない存在になるためには差をつけ違いを出すには創意工夫が必要になります。しかし現実は原理原則を度外視した努力が混乱を\招いていることの方が多いようです。

「必要でもないし、欲しくもない」ものを、商品説明で「欲しい」に変えるのは困難です。「困難」の意味は、従業員にとっては、やる気を失う原因になります。お客さまにとっては、煩わしいことになります。ではどうすれば変えることができるのでしょうか?メリットの提案ですが、売る側の危険もそこにあります。提案するメリットがお客さまにとってメリットになっていないのです。自分たちが「メリット」と断定したことがお客さまのメリットにほど遠いのです。

「原理原則×自由な創意工夫」がうまく機能していないのです。機能しない原因はその時々の状況で違いますので、これがと言えません。
はっきり言えることは「必要でもないし、欲しくもない」を欲しいに変えるのは、商品やサービスによって違います。つまり商品に意味を与えるのは自分だということです。それが「原理原則×自由な創意工夫」を機能させるということです。

たとえば、フツー、車のタイヤの場合「必要だが、欲しくない」商品の\場合。それをフツーでないようにしないと「欲しい」には変わりません。打つ手のキーワードは2つあります。「必要」と「欲求」です。このルールを無視して商売はできません。
必要にこだわれば「安全性」です。こだわりの度合いが強い、つまりモチベーションが高いと「安全性」の徹底にこだわることができます。モチベーションが低いと徹底できません。
欲求にこだわれば「^欲しい^の強さを引き出す」です。どこまで引き出せるかは、こだわりの度合いが強い、つまりモチベーションが高いと「^欲しい^の強さを引き出す」の徹底にこだわることができます。モチベーションが低いと徹底できません。因果関係を計算して、恊働、共働をどう仕掛けるかが、マネジメント力です。

具体的に言うと、「必要」と「欲しい」の切り口で、次の2つの手が打てます。
・安全にこだわり抜いた点検をして、不完全なタイヤを交換する
・欲しいにこだわり、現在のタイヤよりファッション性の高いタイヤに交換する

どちらの場合も、成功がやりたい気持ちを高めるので、モチベーションが加速度的にアップします。業界を問わずに忙しいときが好きという従業員が大半です。売れることでモチベーションが高くなり、想像以上の販売実績をたたき出しています。

しかし難易度の高さに目を奪われて実行するところは少ないのが現実です。過去の実績と難易度の高さで計算したらやりたいと思わないのは当然です。しかし計算ミスなのです。

・欲しいと思わないと買わないという原理原則を無視していること
・原理原則を無視しているので創意工夫が機能することがない

ですから実際には逆転します。するから大量に売れます。やっているのは従業員ですから難易度が高ければ売れません。難易度を低くして意欲に変えて、お客さまが満足しているのは「欲しい」気持ちを満たしたからです。メリットが実感できるとモチベーションはあがります。誰も自分が大事にされたいのです。恊働、共働が機能するのが正しい仕組みなのです。

難易度の高低は、販売高やする内容で計るのではなく、道理に合っているか、いないかで計るのが正しいのです。販売高を抑えても道理に合っていないことをすると難易度は高くなります。

商売と戦争はまるで違うことですが、それが不思議なくらいにここでお話している成功と失敗北のモデルが、映画「二百三高地」と「八甲田山」で描かれています。共通しているのは、人間がしていることという点です。


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