Aという商品があります。
ある人は3000円で買ったけど、ある人は1500円で買った。
しかし、3000円で買った人は5000円まで払う気持ちがあった。
1500円の人は2500円まで払うつもりがあった。
価格と買いたいの関係はいろいろありますが、DVD市場はこのパターンを反映している典型的な事例です。
V字回復著しいユニバーサルスタジオジャパン(USJ)に導入され人気再燃の「ハリーポッターシリーズも、最初にリリースされた時は、コレクター向けなら8000円前後、一般品で4000円前後しますが、時間の経過とともに、値下がりし1000円以下で販売されます。
早く見たい人は高くても買うし、いつか見れるといいと思っている人は値下がりするまで待ちます。お金を出せない人はレンタルで借りてみます。
これは沢山売れるからできるのです。逆に売れないと買う人が限定されてしまうので値下がりしません。しても売れないからですが、特定の人しか買わないものは、レンタル市場にも出回らないので、欲しい人は高くても買います。
・高くても買う。(お金を出せるマニア)
・まあまあなら買う。(お金を出せるファン)
・安ければ買う。(マニア、フアンだが、そこまでお金が出せない)
・安くしないと買わない。(マニア、フアンだが、そこまでお金が出せない)
・安ければもっと買う。(マニア、フアンでシリーズを揃える)
・安くても買わない(レンタルで見る)
人間は感情の動物なので、心を刺激しマニアのレベルまで高めることができれば、お金を出してくれます。そこをターゲットに商品作りがなされます。
価格戦略は、感情を巻き込んだ戦略であって売り手にとって心理戦争、情報戦です
値決めは経営と言われるように、利益獲得の重大な要素である価格を決める上で、外せないことがあるます。
お客様には4つのタイプがあることです。
• お金のある人、時間のある人。
• お金のある人、時間のない人。
• お金のない人、時間のある人。
• お金のない人、時間のない人。
ここで言うのは絶対的な「富裕層」という意味ではありません。お金を出せる人という意味なので感情を含んでいます。感情というキーワードは重要なので忘れないでください。
たとえば「ドトールなら自販機でいいわ。スターバックスなら600円出してもいいわ。エッ!混んでる並ぶわ」(逆の場合もあります)という意味でお金のある人です。
すぐに分かることですが、儲けている会社は、「お金のある人、時間のある人。」を主要顧客にしている会社です。逆は「お金のない人、時間のない人。」を主要顧客にしていています。このタイプの層は対策がなく、打つ手が限定されてしまうので「囚人のジレンマ」に陥ってしまいやすいのです。
ところが、
• お金のある人、時間のある人。
• お金のある人、時間のない人。
• お金のない人、時間のある人。
を対象にしていると、打つ手は広がります。
• お金のある人、時間のない人。
• お金のない人、時間のある人。
を対象にしていると、打つ手は広がります。そもそも顧客が問題を抱えているからです。
たとえば「お金も時間もある人」は車を現金で買えます。
それが得だからと分かっていて、それを実践するお金も時間もあるので、このタイプの方と商売はしにくいのです。
そこで人間関係を高度に発展させようと努力します。レクサスのお店がそうです。
「お金も時間もない人。」の逆パターンです。
しかし、それ以上に「お金も時間もない人。」は厄介です。安くしても並ばない人です。
売る側からすれば「わがままな人」です。書類もメールも読むことをいやがります。
客単価は低いのに「もっと分かりやすくしろ」「もっと早くしろ」と苦情を言います。
声は大きいのでこれを顧客の声として受け取る錯覚をしてしまいます。除外した方が賢明である客層です。
除外するために並ばせる、わざと分かりにくくするのも戦略なのです。
高い収益をあげている会社は、客層を理想的な構成にするために価格をさわります
そのために割引クーポンを使ったり、ポイントサービスを使ったり、逆になにもしないのも手段なのです。なにもしないけど最高のサービスをしますというのは、「お金も時間もある人」への対策になります。
あらゆる手段を講じて、利益を最大化する顧客構成を作るようにします。
最初から売れて、利益が出せることは稀です。「お金も時間もない人。」も必要な時期があります。そこで目標を設定して、徐々に理想的な客層づくりをしていきます。それには価格戦略と併せて接客力もバランスをとって、顧客の感情を動かすようにして全体の調和をとりながら利益を最大化していきます。
怖いのは「お金も時間もない人。」が主力になり、他の客層が減ることです。店が荒む原因にもなります。その責任は店にありますが、店作りは顧客とするものです。売り手だけではできません。ですからステークホルダー、クレドといったものが利益の源泉として見えないが寄与するようになるのです。
売上、利益の計算は、客単価×客数しかありません。こんなことはみんな知っていますが、その真実をしらない人はたくさんいます。
チェーン展開の場合は、A店の事例がB店にもそのままあてはまることはありませんが、過去の事例、体験を活かすことができるので有利です。
うさぎとかめの話は有名ですが、勝つはずの兎は亀に負けましたが、両者は見ていたところが違ったのです。兎は亀を見ていましたが、亀はゴールを見ていたのです。
あなたはどこを見てますか?
見る所が違えば、価格に対する考え方も、ホスピタリティに対する考え方も違います。
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