2014年7月18日金曜日

典型的な「囚人のジレンマ」どっぷりの業界に<儲けるヒント>を見つける

典型的な「囚人のジレンマ*」に陥っている牛丼、ガソリンスタンド業界

*(Wikipediaより)
囚人のジレンマ(しゅうじんのジレンマ、英:Prisoner’s Dilemma)とは、ゲーム理論経済学における重要概念の一つで、「互いに協調する方が裏切り合うよりもよい結果になることが分かっていても、皆が自身の利益を優先している状況下では、互いに裏切りあってしまう」というようなジレンマを指す。
共同で犯罪を行ったと思われる囚人A、Bを自白させるため、警官は2人に以下の条件を伝えた。
もし、お前らが2人とも黙秘したら、2人とも懲役2年だ。
だが、お前らのうち1人だけが自白したらそいつはその場で釈放してやろう(つまり懲役0年)。この場合自白しなかった方は懲役10年だ。
ただし、お前らが2人とも自白したら、2人とも懲役5年だ。
この時、2人の囚人は共犯者と協調して黙秘すべきか、それとも共犯者を裏切って自白すべきか、というのが問題である。 なお彼ら2人は別室に隔離される等しており、2人の間で強制力のある合意を形成できない 状況におかれているとする。 (例えば自分だけが釈放されるように相方を脅迫したり、二人共黙秘するような契約書をかわしたりすることはできないと言うこと)。
(略)
現実世界における事象にも囚人のジレンマを使って説明できるものが多くあるため、このジレンマは政治経済の解析にかかせない。 例えば、A国とB国が両方とも軍隊を廃止すれば、費用をかけず平和を維持できるのに、自国の利益を優先して双方とも大きな費用のかかる軍隊を持ってしまう。また、低価格競争でも、A社とB社が両方とも値下げを止めれば儲けが増えるにもかかわらず、自社の利益を優先して双方ともに値下げしてしまう。
その一方で、囚人のジレンマのような状況でも、協調が実現している経済現象も存在する。例えば談合など、相手の行動に拘らず自分が裏切れば利得を得ることができるのに、実際には協調し続けるような状況があげられる。このような状況は、談合はいつ終わるか分からないので無限回繰り返しゲームと解釈することで協調を説明することができる。


牛丼業界の価格競争の始まりは、コンビニ、ファストフードから顧客を奪う目的で始まりました。原価が高い吉野家も巻き込まれ追随せざるを得なくなりましたが、すき家、松屋と真っ向から競争を避けて割引クーポン主体でリピーターを取り込むように打って出たのが特長で新規顧客の獲得がふるわないようでした。
しかし昨年牛丼の倍以上もする価格の「牛すき鍋」を開発。冬に投入したところ大ヒット商品となり株価を押し上げました。ユーザは価格だけを求めていないことが実証され、「すき家」「松屋」をはじめ他社も追随しましたが具材と味の違いは明白でした。
今年になり恒常的に過酷な職場環境に加え人出不足の問題が起こり、一時的な休業に追い込まれたのが「すき家」でした。
「囚人のジレンマ」から抜け出すには協調か独自性の発揮しかありません。自社でできるのは独自性の発揮しかありません。
小売サービス業、永遠の課題である「客単価×客数」を同時に引き上げた「他社の真似をしない価値ある独自性」を発揮した吉野家の事例は参考になります。
「値決めは経営」と言ったのは稲盛氏(京セラ)。
「値上げの理由は”おいしくなったから”が正解」と名言を残したのはマクドナルドの原田氏。
価値を創造し、値上げの理由を作って行くのが経営の本分だと言えます。ガソリンスタンド業界も牛丼業界に匹敵する熾烈な競争を展開をしていますが、食事もガソリンも1回満タン分を買ってしまうとそれ以上は安くてもどうしょうもない代物だという点で似ています。しかも他に取扱い商品がないという点でも似ています。



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