高くても買ってくれる人には高く、安くないと買わない人には安く売ることで、客単価×客数=売上(利益)を最大化できます。
安く売るのは高く売るためと言っても過言ではなく、最近益々増える無料サービスによる高収益が成り立っているのは、高い支払いをしてくれる顧客がいることからも容易に理解できるでしょう。
しかし「あなたは高く買ってくれますか?」と聞かれて「いいですよ」と答える顧客はいないので、売る側は、独自に調査する必要があります。典型的な事例が新車販売です。同じ車種でもいろんなグレードの車が用意されています。もっと身近な事例がお寿司屋さんなどで見かける「松竹梅」です。
料理屋さんで働いている方や経営者さんに聞くとほとんどが、一番安いのを食べるのが得ですと言います。それを可能にしているのがグレードの高い商品を買ってくれる顧客です。このグループが負担してくれていると言っても過言ではないということです。これを間違うと自社が負担して赤字になります。
さて、そのありがたい顧客の見つけ方です。ほとんどが「高くしてくれ」とは言わず「安くしてくれ」と言います。そこに”安くしないと売れない”と思い込んでしまう「囚人のジレンマ」にひっかかる基礎があります。
先にあげた「松竹梅」が用意できる場合は簡単です。牛丼チェーンも似たことはしていますが、同じ車種、グレードの違いのように感じにくく、違う車種のように感じてしまう構成なのが難点。
ガソリンのような場合では、メカニックなマッチングの問題があるので、ハイオクとレギュラーガソリンをもって「松竹梅」と同じように考えるわけにはいきません。
そこでガソリンスタンドの場合ならスタンプカードのような仕掛けを使うことで判断するようにします。残念なことに実際にはそこまでの意識をしているスタンドは皆無に近いですが、顧客の方は業界を問わず共通した行動を示し、「安くないと買わない顧客」は熱心にクリアしようとします。
高くても買ってしまう顧客はスタンプカードをもらっても、こだわりが弱いのでなくしたり、忘れたりします。その結果を見て次のステップでより鮮明に対応することが可能になります。カードとITを使った情報管理はそれを容易にします。それが難しい場合はアナログで繋いでいくようにします。
実施しているガソリンスタンドは少ないですが、少ない数量指定の顧客との会話や、「高いな」と文句言った顧客だけに「こんなカードお渡ししていませんでしたか?」と後出しジャンケンで割引カードを発行している店もあります。誰にどのように対応するかは店頭のスタッフの眼力、センスで効果が変ります。
購買履歴でグループ分けして、ランク付けで価格設定する方法は、IT活用と言ってもシンプルなので管理コスト面で、安く抑えられ手軽ですが、対応には慎重さが欠かせません、買えば買う程安くする仕組みには、なんのためか、そもそもの目標を見誤ると単なるギフトになってしまうリスクがあるからです。つまり「客層の構成で作る利益の出る客単価づくり」ができなくなってしまうからです。
単なるギフトになってしまうと、高くても買ってくれる人にも安くしないと売れないと考えてしまうミスをやらかすからです。買えば買う程安くなる仕組みを導入している場合、安くする必要があるので、その点に注目してしまい、本当の関係作りにまで手が回らなくなってしまう危険があります。
高くても買ってくれる人へのギフトは、価格ではなく、研ぎすまされた接客力<親近感><優れたコミュニケーション能力>が適切なのです。<お金があって、時間のある人>たちは情報量も豊富だし俯瞰する能力も高いのが一般的なので、小手先のハウツーは通用しない割合が高いからです。
この層の方は信頼されると関係を大切にしていただけるありがたい顧客層です。売り手が能力テストをされてしまう傾向にありますが、実はありがたいことで、店の成長を促していただける存在なのです。能力テストをクリアすると大事にしていただけるだけでなく、高くても買っていただけるのです。
売り手に(商売人として成長したいという)在り方があれば、売り手の教育をしていただける層の顧客です。そのチャンスを活かすも殺すもマネジャーの力量なのです。店は顧客と共に作る意識がある人には、顧客構成を考えるときに考慮すべき課題になります。
買えば買う程安くなる仕組みを導入している場合、仕組み上、安くする必要がありますが、顧客単位の<客単価アップ>で最大化します。それが満足度を高める結果になることを考慮しておきたいものです。この段階ではDOよりもBE~在り方が重要になるのです。そのモデルのひとつに「レクサス」があります。
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